横浜・馬車道の総合診療クリニック

インフルエンザとは?

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって起こるウイルス性呼吸器感染症です。世界中で、全年齢にみられる普遍的で最も頻度の高い重要な病気で、小児と高齢者で重症化しやすいとされています。流行の規模は一定ではありませんが、毎年冬季に流行がみられ、学級閉鎖の原因や、高齢者施設における施設内流行の原因にもなります。多くは上気道炎症状・呼吸器疾患を伴うことで流行性感冒と言われる。

 

インフルエンザウイルスには強力な感染力があります。一度流行すると、年齢や性別を問わず、多くの人に短期間で感染が広がります。日本では毎年11月〜4月に流行が見られます。2009年春 <新型インフルエンザ> が流行したことは、まだ記憶に新しいでしょう。

インフルエンザの原因

|インフルエンザの感染経路

 

インフルエンザは、主に 直接感染・飛沫感染・接触感染 の3つのルートで伝播・拡大して行きます。一般的には経口・経鼻で呼吸器系に感染し、ヒトの鼻咽頭で増殖したウイルスが、飛沫感染でほかのヒトの鼻咽頭の細胞に感染して発症します。この3つのルートのうち、どれが主要であるかについては明確ではないが、いずれのルートもインフルエンザウイルスの拡散を引き起こすと考えられています。

 

直接感染

インフルエンザ感染者の粘液が、ほかの人の目や鼻や口から直接的に体内に入り感染します。

 

飛沫核感染(空気感染)

インフルエンザ感染者の咳・くしゃみ・つば・吐き出しなどにより発生した飛沫を吸い込むことにより感染します。この飛沫による感染ルートが主と言われています。

 

空気感染において人が吸い込む飛沫の直径は0.5から5マイクロメートルと言われています。つまりたった1個の飛沫でもインフルエンザの感染を引き起こす可能性があります。1回のくしゃみにより40000個の飛沫が発生するが多くの飛沫は大きいので、空気中から速やかに除去されます。

 

接触感染

インフルエンザウイルスが付着した物(衣類・タオル・リモコンなど)や、握手のような直接的な接触により、手を通じ口からインフルエンザウイルスが侵入し感染します。

 

 

|インフルエンザウイルスの生存期間(インフルエンザウイルスとRNAase)

 

インフルエンザウイルスは細胞内寄生体(細胞内で生存可能)なので細胞外では短時間しか存在できません。しかもRNAウイルスなので、RNAase(RNAの分酵素)が存在する場所では、生存時間が短くなります。物体の表面においてウイルスが生存可能な期間は、条件によってかなり異なります。

 

皮膚表面

手掌などの皮膚の表面には多量のRNaseが存在するため、インフルエンザウイルスなどRNAウイルスは速やかに断片化されてしまいます。このため皮膚での生存時間は5分間未満です。この点は細菌やスピロヘータと時々混同されています。

 

日常の物品

紙幣・ドアノブ・電灯のスイッチ・家庭のその他の物品(パソコン・リモコンなど)の表面上では短時間存在できます。

 

RNAaseが除去された環境下

RNaseが完全に除去された環境つまり人が絶対に触らない乾燥した紙ではインフルエンザウイルスは約15分間生存可能です。またプラスチックや金属のように、多孔質でない硬い物の表面でかつRNaseが完全に除去された環境つまり人が絶対に触らない無菌室内にある多孔質でない硬い物の表面では、実験的にはウイルスは1?2日間生存させたのが最長記録といわれています。

 

逆にインフルエンザウイルスは、RNaseがなくても56℃・60分以上の加熱により不活化(inactivated)されます。RNaseの存在下では常温5分未満で断片化します。またpH2未満の酸によっても数分で不活化します。

 

乾燥状態(湿度が低い)

飛沫中のウイルスが感染力を保つ期間は、湿度により変化します。乾燥して湿度が低い状況でインフルエンザウイルスは繁殖します。

 

紫外線(UV)

飛沫中のウイルスが感染力を保つ期間は、紫外線(UV)強度により変化します。紫外線(UV)が弱い状況でインフルエンザウイルスは繁殖します。

 

つまり冬では湿度が低く日光が弱いので、インフルエンザウイルスの生存期間は長くなります。鳥インフルエンザのウイルスは、最適な細胞ごと凍結することにより、長く冷凍保存できるという報告もあります。

 

 

|インフルエンザウイルスの詳細

 

  • A・B ・C型の3つに分類される
  • オルトミクソウイルス科
  • RNAウイルス
  • エンベロープを保有
  • マイナス鎖の一本鎖RNAをゲノムとして持つ(分節性ゲノム)
  • RNA依存RNAポリメラーゼをウイルス粒子内部に含む
  • RNAの複製が宿主細胞の核内で行われる

 

 

|インフルエンザの種類

 

ヒトに感染するインフルエンザウイルスには、オルトミクソウイルス科に分類されるウイルスのうち、A型・B型・C型の3つの型に分類されます。現在流行の中心となっており臨床的に問題になるのは、A型の2亜型(Aソ連型とA香港型)とB型です。現在流行の中心となっているのはA型とB型です。

 

A型インフルエンザウイルス

A型は症状が重篤になる傾向があり、死に至ることもあります。また感染力が強いため、大流行(パンデミック)を起こしやすく、過去には香港かぜやスペインかぜなどの世界的な流行で多くの死者を出しました。2009年に世界中で流行したいわゆる <新型インフルエンザ> は、A型・H1N1亜型 というものでした。

 

2009年春には豚由来の新型インフルエンザウイルスA型が出現しました。このウイルスはその後世界中に広まり、WHO(世界保健機関)は6月にパンデミック(世界的大流行)の宣言をしました。日本においても同年の秋から冬にかけて、小児を中心に非常にたくさんの方が感染しました。

 

B型インフルエンザウイルス

B型は、A型よりも症状が比較的軽く、限られた地域で流行するケースが見られます。

 

C型インフルエンザウイルス

C型は鼻かぜ程度の軽い症状ですむことが多いウイルスです。

 

以前はオルトミクソウイルス科には、このA・B ・C型インフルエンザの3属だけが分類されており <オルトミクソウイルス=インフルエンザウイルス> として扱われていました。現在、トゴトウイルス属とイサウイルス属(伝染性サケ貧血ウイルス)という、ヒトに対する病原性が発見されていない新たな2属が新たにオルトミクソウイルス科に追加されました。このため現在はインフルエンザウイルスはオルトミクソウイルスのうちの一部に位置付けられています。

 

 

|インフルエンザの型による相違点

 

A型・B型・C型は、ウイルス粒子を構成するタンパク質のうち、M1蛋白とNP蛋白の抗原性の違いにより分類されます。これ以外に病態的・形態的・遺伝子的にも違いがあります。、特にC型とA・B型とでは大きく違います。

 

抗原性の違い

A型・B型・C型では、M1蛋白とNP蛋白の抗原性がそれぞれ異なり交差反応しません(例えばA型のM1やNPに対する抗体はB型、C型のものとは反応しません)

 

病原的な違い

A型・B型は毎年冬期(まれに春期)に流行を繰り返し、多くの場合のヒトのインフルエンザの原因になります。一方C型インフルエンザは、A・B型と異なる感染様式をとります。

 

 A 型

 

特に内部での変異型が多く世界的な大流行(パンデミック)を起こしやすく、ウイルスに対する免疫の持続も短いと言われています。ただしA型インフルエンザウイルスに分類されるものの内、ヒトに感染するものは少なく、残りは水鳥などの野生生物を宿主とします。

 

 B 型

 

A型に比べると流行の規模は小さいが、世界的・地域的な流行を毎年繰り返します。B型は遺伝子がかなり安定しておりウイルスに対する免疫はA型よりは長く持続すると言われています。A型と異なりヒトだけを宿主とします。

 

 C 型

 

季節によらず4歳以下の小児に感染します。ほとんどのヒトが乳幼児期に感染するが症状が現れない(不顕性感染)ことも多く、病態的にA、Bとの違いが大きいため、C型インフルエンザという別の疾患として、多くは区別して扱われます。C型は遺伝子がほとんど変化しないので免疫は長期間に亘って持続し、一度感染すると免疫が一生持続する場合も多くあります。B型と同様ヒトだけを宿主とします。

 

形態的な違い

C型のウイルス粒子では、電子顕微鏡下で繊維状形態が特に顕著に観察され、エンベロープ上の分子であるHEが6角形に配列するのが認められます。A型・B型ではこれが認められず、電子顕微鏡ではA型とB型は形態上判別が困難です。

 

 

遺伝子上の違い

A型のNA分節にはNA一遺伝子のみがコードされているが、B型ではNAとNBの2つの遺伝子がコードされています。

 

A型・B型・C型の遺伝子コードの違い

  • A型・B型のゲノム  8分節(HA・NA・PA・PB1・PB2・M・NP・NS)
  • C型のゲノム     7分節(HE・PA・PB1・PB2・M・NP・NS)

 

A型のM分節からはスプライシングによってM1とM2の2つのタンパクを生じるが、B型ではM1とBM2というそれぞれORFを持った2つの遺伝子がコードされており、スプライシングを起こしません。

 

 

インフルエンザウイルスの亜型と株(更なる細分化)

 

インフルエンザウイルスはA型・B型・C型の中で更に細分化されます。同じA・B・C型のウイルス同士であっても、エンベロープ表面上の分子である ヘマグルチニン(赤血球凝集素 HA haemagglutinin) と ノイラミニダーゼ(NA neuraminidase) という糖蛋白 の抗原性の違いから、それぞれ複数の亜型と株に分類されています。(C型ではヘマグルチニン?エステラーゼ, HE)

 

抗原性の違いによる分類

  • ヘマグルチニン(赤血球凝集素 HA haemagglutinin) 16種類
  • ノイラミニダーゼ(NA neuraminidase) 9種類
  • 組み合わせにより <H1N1?H16N9> までの亜型(サブタイプ)に分類

 

1999年にスウェーデンで捕獲されたユリカモメからそれまで知られていた15種類とは異なるHAが見出され、2005年に16番目のHAとして報告されました

 

インフルエンザウイルスの型(サブタイプ)の表記方法

 

流行を起こすウイルスには地域や年度によって違いがあり、株として分離された場所と年度によって命名・分類されます。16種類のHAと9種類のNA組み合わせにより <H1N1?H16N9> までの亜型(サブタイプ)に分類した後、インフルエンザウイルスのウイルス株は次のように表記されます。

 

  • A・B・C型のいずれの属
  • 分離された生物種(ヒトの場合は省略)
  • 分離された場所
  • 分離された順番
  • 分離された年度(1999年までの場合は西暦の下2桁、2000年以降は西暦の4桁)
  • A型の場合は、最後に括弧内にHAとNAの抗原型を記載

 

インフルエンザウイルスの型(サブタイプ)の表記例

  • A/ニワトリ/香港/258/97(H5N1)
  • A/ワシントン/1/33(H1N1)
  • B/上海/361/2002

 

A型インフルエンザウイルスは特に型の内部でのHAとNAの違いが大きいですが、B型のHAとNAおよびC型のHEは、A型に比べると多様性が低く、亜型による分類は通常行われません。同じ型、同じ亜型の内部であってもHAとNAには小さな変異があります。またA型インフルエンザウイルスでは亜型が異なると、宿主となる生物種が異なる場合があります。

インフルエンザの症状

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。普通の感冒(カゼ)よりも急激に発症し、症状が重いのが特徴です。インフルエンザに感染すると、1〜5日の潜伏期間の後、38℃以上の高熱や筋肉痛などの全身症状が現れます。健康な人であれば、その症状が3〜7日間続いた後、治癒に向かいます。

 

|インフルエンザの特徴

 

いずれの型のインフルエンザも1〜3日の潜伏期をへて、かぜ(感冒)とは異なり比較的急速に症状が出現します。感染してウイルスが体内に入ってから、2日〜3日後に発症します。

 

  • 潜伏期間 1〜3日(最大10日程度まで)
  • 感染経路 主に飛沫感染
  • A型インフルエンザはとりわけ感染力が強く、症状も重篤になる傾向あり
  • 稀にA型・B型の両方を併発する場合もあり
  • 肺炎や上気道の細菌感染症を続発し死亡することがあり
  • 子供は大人より感染しやすい

 

|インフルエンザの症状

 

悪寒を伴う高熱・全身倦怠感・関節痛を伴って急激に発症します。鼻汁・咳・咽頭痛などの呼吸器症状や、吐気・嘔吐・下痢などの消化器症状を伴うことが多く、頭痛・関節痛も現れます。気管支炎や肺炎を併発しやすく、脳炎や心不全になる場合もあります。筋炎を起こすと筋肉痛が生じ、下肢の場合は歩行困難になることがあります。

 

全身症状

  • 悪 寒
  • 発 熱 (急激に38℃以上の高熱)
  • 頭 痛
  • 全身倦怠感
  • 筋肉痛
  • 関節痛

 

気道症状

  • 咽頭痛・鼻汁・鼻閉・咳・痰・呼吸困難

 

胃腸症状

  • 腹痛・嘔吐・下痢

 

|インフルエンザの合併症

 

主要な合併症として肺炎とインフルエンザ脳症があります。乳幼児は初感染であることが多く、成人に比べて重症化しやすく、また高熱による熱性けいれんを起こすことがあります。細菌性の肺炎や中耳炎の合併があると高熱が続きます。

 

インフルエンザの合併症が重症化(ハイリスク)するケース

  • 65歳以上の年齢
  • 慢性呼吸器疾患(喘息やCOPD)
  • 心血管疾患(高血圧単独を除く)
  • 慢性腎・肝・血液・代謝(糖尿病など)疾患
  • 神経筋疾患(運動麻痺・痙攣・嚥下障害)
  • 免疫抑制状態(HIV感染や薬物によるものを含む)
  • 妊 婦
  • 長期療養施設の入所者
  • 著しい肥満
  • アスピリンの長期投与を受けている者
  • 担癌患者(体内に癌がある状況)

 

|インフルエンザの経過

 

インフルエンザの症状の程度・持続期間は、流行ウイルスの種類・年齢・過去の罹患状況などによって様々です。合併症がない場合、7〜10日以内に軽快します。

 

インフルエンザの重症度を決めるファクター

  • ウイルス側の要因   前回の流行からの期間やウイルスの変異の度合い
  • 個体側の要因     感染歴や免疫状態

 

 

インフルエンザと風邪の症状の違い
普通の風邪だと思っていたら、実はインフルエンザだった!ということがないように、普通の風邪とインフルエンザの違いを確認しておきましょう。
普通の風邪
インフルエンザ
原因ウィルス パラインフルエンザウイルス
アデノウィルス
RSウィルス
ヒトメタニューモウィルスなど A型
B型
C型
感染経路 空気感染、飛沫感染、接触感染 主に咳やくしゃみなどの飛沫感染、接触感染
潜伏期間 5日〜6日 通常1〜2日
発症期間 普通は3日以内、長くても1週間程度 10日以内
症状の部位 局所(のど・鼻) 全身
進行 ゆるやか 急激なことが多い
発熱 37〜38度くらい 38〜40度前後

鼻水 ひきはじめに出る 後から続く
せき 軽い 強い
頭・関節・筋肉痛 軽い 強い
寒気 軽い 強い

インフルエンザの検査と診断

インフルエンザに感染しているかどうかを判断するためには、症状の原因がインフルエンザウィルスであることを調べる必要があります。ウィルスに感染しているかどうかを調べる方法としては、迅速検査・抗体検査・ウイルス分離の3つ方法があります。一般的にが迅速検査が第一選択としてほぼ全ての医療機関で行われています。

 

  • 迅速検査 : インフルエンザウィルスが体内にいるかどうかを調べる
  • 抗体検査 : 体内にインフルエンザウィルスに対する抗体ができているかを調べる
  • ウイルス分離 : 検体から実際にウイルスを分離する

 

|迅速検査   インフルエンザウィルスが体内にいるかどうかを調べる

 

迅速に診断が可能な検査キットが2001年頃より臨床現場で使われ始め、現在普及しています。咽頭ぬぐい液や鼻汁材料を用いた、インフルエンザの抗原検出キットで10〜15分の短時間にインフルエンザ感染を判定することができ、A・B型の判別も可能です。

 

迅速検査のメリット

  • 短時間で結果が得られる
  • A・B型の判別が可能

 

迅速検査のディメリット

  • ウイルス量が不十分だと陽性にならない(感染者の約6割が検出可能)
  • 発症直後では陽性にならないこともある
  • インフルエンザワクチンを接種していると陽性になりずらいこともある
  • 検体採取(咽頭・鼻腔)に痛みを伴う
  • ウイルスの亜型の判別まではできない

 

 

豆ちしき
インフルエンザ迅速検査の陽性ラインは、インフルエンザの重症度・体内のインフルエンザのウイルス量と比例します。つまり症状が明らかであればあるほど、ウイルス量が多ければ多いほど短時間で、明確な、太い陽性ラインが出現します。典型的なインフルエンザ感染の患者様では、検査中にこの陽性ラインが出現し確定診断となるケースも多くあります。


 

インフルエンザ迅速検査とタミフル
タミフル(オセルタミビル)は発症後48時間以内が非常に有効とされるため、迅速診断は非常に重要な検査方法となっています

 

迅速検査でインフルエンザ陰性の判定でした。インフルエンザには感染していないのでしょうか?

インフルエンザの迅速検査では、発症直後の12時間以内の場合やウイルス量が足りないと陰性の結果が出ることがあります。Chartrand C. らは、迅速検査によりインフルエンザ陽性率は62.3%(感染者の約6割が検出可能)と報告しております。つまり発症後18時間以内はインフルエンザに感染していてもキットで検出できない割合が高く、発症後2日目が最も陽性率が高いとされています。発症後4-5日たつと陽性率は減少してきます。更に早く正確にインフルエンザを検出するため現在でもインフルエンザ迅速キットの改良が続けられています。

 

 

院長のひとりごと
インフルエンザの症状のない患者様に、<念のため>ということでインフルエンザ迅速検査は良く行います。もちろん短時間では陰性の結果になりますが、検査後数時間から丸1日経過して、陽性の部分に <うっすらと細い陽性ライン> が出現することも少なくありません。これはこれで <インフルエンザ> なのです。患者様本人はインフルエンザワクチンも接種し、ご本人の免疫力もあり症状が発現していないだけなのです。インフルエンザ流行期に周囲に感染者がいる場合によく見受けられる現象です。そのため陰性と判定された場合でも、周囲のインフルエンザの流行状況をふまえて、発症翌日に再検査をして確認することもあります。


 

インフルエンザの迅速検査は、検体採取(咽頭・鼻腔)の際に若干の痛みと苦痛を伴います。むしろ検査自体に苦痛があったり医療者をウイルス感染させる問題があることから、重症患者や高齢者、血液疾患や糖尿病などの健康上のリスクを抱えた患者以外には迅速診断検査を安易に行うべきではないとの意見もあります。

 

 

|抗体検査   体内にインフルエンザウィルスに対する抗体ができているかを調べる

 

血清学的診断では、発症時と2〜4週後のペア血清で CF(インフルエンザ共通抗原) ・ HI(型特異的抗原) の抗体価の有意な上昇でわかります。

 

ペア血清(paired serum)とは?

同一患者から採取された1組の急性期血清および回復期血清のことです。感染初期の血清を急性期血清とし、病気が回復した後の血清を回復期血清とし、その抗体価の上昇を指標として血清学的診断を行います。感染症の診断、ワクチンの効果の判定に使用されます。

なぜペア血清法は必要なのですか?

一つの抗体価のみでインフルエンザウイルス感染症の病態を把握することは困難です。このため急性期と回復期(4〜6週後)の2回以上の血液検査(ペア血清法)が必要になります。必要ならば更に数カ月後の複数の血清を用いて結果を最終的に判断すべきです。

 

|ウイルスの分離   検体から実際にウイルスを分離する

 

臨床ウイルス学的には確定診断のために、患者様の検体からインフルエンザウイルスの分離を行い、流行株の抗原的性状を解析します。

 

インフルエンザの治療

インフルエンザの治療には、 一般療法 ・ 対症療法 ・ 薬物療法 があります。

 

|インフルエンザの一般療法

 

インフルエンザの一般的な治療法では、カゼ(感冒)と同様次のようなことに留意します。

 

安静・栄養・休養・睡眠

インフルエンザの感染力に打ち勝つために免疫力を上げ、保持するようにします。できるだけ安静にし休養を取ることが重要です。栄養と十分な睡眠を取ります。 特に体を冷やさず暖かい場所にいるように心がけましょう。

 

水分補給

インフルエンザに感染し高熱が出ると体は脱水の方向に向かいます。それを避けるため水分を十分に補います。お茶・スープ・ジュースなど何でもいいので飲みたいものを飲みましょう。

 

保 湿

寒くて乾燥した状況でインフルエンザウイルスは繁殖し猛威をふるいます。室内の空気の乾燥に気をつけましょう。インフルエンザウイルスの空気中での活動や感染を抑えるために、加湿器などで室内の湿度を50〜60%に保ちましょう。

 

二次感染の予防

飛沫(咳・くしゃみ等)によって周囲に二次感染させないために不織布製マスクの着用を励行します。これにより喉の湿度を保つことが可能になります。

 

外出を避ける

インフルエンザウイルスの暴露の機械を極力減らすため、軽症のインフルエンザでも外出は避けましょう。移す/移される機会をなるべく減らすことが重要です。人混みや繁華街への外出、電車・バスの乗車をなるべく控えましょう。完治しるまでに職場や学校に無理して行くのは控えます。

 

 

|インフルエンザの対症療法

 

インフルエンザの治療は、一般療法と共に対症療法が主体になります。各症状に対しての治療は次のようになります。

 

発熱に対して

高熱に対しては冷却(Cooling)とともに、アセトアミノフェン(カロナール)などの解熱鎮痛薬を使用します。

 

関節痛・筋肉痛に対して

カゼとの相違点として、インフルエンザでは関節痛や筋肉痛を伴うことがあります。その際には、アセトアミノフェン(カロナール)などの解熱鎮痛薬を使用します。

 

鼻水・くしゃみに対して

インフルエンザ感染に伴う感冒症状(カタル症状)に対しては抗ヒスタミン薬などを服用します。

 

呼吸器症状に対して

咳・痰・喘鳴・呼吸困難などの呼吸器症状に対しては 鎮咳薬・去痰薬・抗ヒスタミン薬・気管支拡張薬などで対応します。

 

消化器症状に対して

腹痛・下痢・嘔気などの症状に対しては整腸薬や止痢薬を使用します。

 

細菌による二次感染に対して

細菌性の肺炎などを合併している場合は抗生剤を使用します。

 

脱水に対して

高熱により脱水状態になったり、食事が摂取できないなどの場合は点滴治療(輸液)が必要となる。 水分の補給に努め、脱水にならないように注意します。

 

 インフルエンザ脳症と解熱鎮痛剤

 

現在非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs) を15歳未満の小児に使用するとライ症候群を含むインフルエンザ脳症の併発を引き起こす可能性が指摘されているため、原則使用が禁止されています。インフルエンザ感染時に解熱に使用できる薬剤は、小児では アセトアミノフェン(カロナール・アンヒバ坐剤・タイレノールなど) が基本的には第一選択になります。このため小児のインフルエンザ治療においてはNSAIDsは使用せず、よほど高熱の時のみアセトアミノフェンを少量使用するのが現在では一般的です。

 

インフルエンザ脳症を起こす可能性がある解熱鎮痛剤(NSAIDs)

  • ジクロフェナクナトリウム(ボルタレンなど)
  • メフェナム酸(ポンタールなど)
  • イブプロフェン
  • アスピリン

 

市販の総合感冒薬は効果がなく、むしろ前述のNSAIDsを含む場合もあるので投与は避けるべきです。決して自己判断はぜず、必ず担当医に相談してください。

 

 

|インフルエンザの薬物療法(抗ウイルス薬)

 

一般療法・対症療法と共にインフルエンザの感染時に行われる治療には薬物療法があります。抗インフルエンザ薬には次のような薬剤があります。但し、これらの抗ウイルス薬は発病後 48時間以内に服用しないと効果がありません。

 

抗ウイルス薬

インフルエンザウイルスに対する治療薬として、塩酸アマンタジンとノイラミニダーゼ阻害薬があります。特異的な治療法として、抗ウイルス薬があります。

 

 

 1.ノイラミニダーゼ阻害薬

 

ノイラミニダーゼ阻害薬(タミフル・リレンザなど)はA型・B型どちらのインフルエンザウイルスにも有効です。多くの場合発症後早期(約48時間以内)に使用する必要があり、いずれも発症2日以内の使用開始が効果的です。

 

 

ノイラミターゼ阻害剤の作用機序

インフルエンザウイルスは一度細胞に感染し、増殖するため次の細胞に転移し感染を拡大させようとします。この次の細胞に移行するために、感染させた細胞から離脱する必要があります。その離脱の際に必要な酵素がノイラミターゼです。つまりノイラミターゼ阻害薬は、ウイルスを攻撃し、ウイルスそのものの増殖を抑えるのではありません。増殖したウイルスが細胞内から出られなくし、増殖を防止します。ウイルスの拡散を防止し、一定レベルに留めておいた後、自己の免疫力を利用してインフルエンザウイルスを撃退し治療に結びつけるのです。

 

ノイラミターゼ阻害剤の種類

  • ザナミビル(リレンザ)    吸入薬(グラクソ・スミスクライン)
  • オセルタミビル(タミフル)  経口薬(ロシュ/中外製薬)
  • ラニナミビル(イナビル)   吸入薬(第一三共)
  • ペラミビル(ラピアクター)   注射薬(バイオクリスト開発・日本では塩野義製薬がライセンス生産)

 

2015年度抗インフルエンザウィルス薬の供給量(厚労省インフルエンザ総合対策情報)

  • タミフル   約700万人分
  • リレンザ   約390万人分
  • ラピアクター 約75万人分
  • イナビル   約700万人分

 

ノイラミターゼ阻害剤への耐性について
ザナミビル(リレンザ)とオセルタミビル(タミフル)の両薬剤に耐性を持つウイルスの出現もすでに報告されています。こちらの耐性機構については、まだよく分かってはいないが、ヘマグルチニンが変異して細胞との結合力が低下して、ノイラミニダーゼの働きが弱くても細胞からの放出が行われることによって耐性を獲得する場合があることが報告されている。このような薬剤耐性ウイルスの出現に対抗するため、新薬開発の取り組みも継続されている。2002年冬、インフルエンザが非常に流行したため抗インフルエンザ薬が不足するなどの問題が起こったことがある。

 

 

近年タミフル耐性のAソ連型ウイルスが出現し、世界中に広まりました。一方豚由来新型インフルエンザウイルスA型に対してはタミフル・リレンザとも効果があります

 

 

 2.M2プロトンチャネル阻害薬(塩酸アマンタジン)

 

塩酸アマンタジン(シンメトレル)は、経口薬でM2プロトンチャネル阻害薬としてインフルエンザウイルスに作用します。

 

塩酸アマンタジン(シンメトレル)の作用機序

アマンタジン(シンメトレル)はウイルスの細胞への侵入・脱殻に関与するプロトンチャネルであるM2タンパク質の作用を特異的に阻害します。

 

塩酸アマンタジン(シンメトレル)のメリット

  • ジェネリック医薬品もあり価格も安い

 

塩酸アマンタジン(シンメトレル)のディメリット

  • A型インフルエンザウイルスのみに効果あり
  • 耐性が起こりやすい
  • 近年耐性ウイルスが出現したため使用頻度は減少

 

塩酸アマンタジンへのき耐性が起った機序
アマンタジン耐性は、主に連続変異によってM2タンパク質の構造が変化することによるとされています。アマンタジン耐性インフルエンザウイルスや、ザナミビル(オセルタミビル)耐性インフルエンザウイルスの出現も既に報告されています。

 

塩酸アマンタジンへの耐性が起った背景
1964年にA型インフルエンザに効果があることが発見されました。日本では当初パーキンソン病の治療薬として承認され、1998年にインフルエンザに対しても承認されました。2005年の鳥インフルエンザの際に、中国で政府が大量に配布したアマンタジンを“予防として”鶏の餌に混ぜる行為が行われた結果、耐性ウイルスが発生し、インフルエンザ治療薬としては選択肢に加えることができない状況に現在あります。

 

現在日本ではノイラミニダーゼ阻害薬のリン酸オセルタミビル(タミフル)と塩酸アマンタジンを予防薬として使用することができますが、13歳以上に限るという制限など、いくつかの条件があるので医療機関に相談してください。

 

海外ではリマンタジンが使用されております。これはアマンタジンのα-メチル誘導体です。しかし日本では認可・発売されていないので使用されていません。

 

 

 3.RNAポリメラーゼ阻害薬

 

現在認可申請中の経口の抗インフルエンザウイルス薬としてファビピラビル(Favipiravir)(アビガン)(富山化学工業)があります。A型・B型インフルエンザの両方のタイプに効果があります。

 

RNAポリメラーゼ阻害薬の作用機序

RNAポリメラーゼの阻害によりウイルスの遺伝子複製時に作用を示し、その増殖を防ぎます。高病原性トリインフルエンザウイルスH5N1型を含む広範囲なインフルエンザウイルスに有効であり、ノロウイルスなどの他のRNAウイルスに対する有効性も示唆されています。

 

 

豆ちしき
現在詳細不明ですが塩野義製薬が経口の新薬を開発しています。作用機序としては、キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害作用によりウイルスが細胞内に侵入後増殖するときに使う酵素を阻害します。ウイルスが増殖できずそのまま死滅するため1回の投与で1日以内に症状を抑える効果があります。全く新しい機序の薬です。


 

 4.漢方薬

 

オセルタミビル等の抗インフルエンザ薬に対する治療とは別の流れで、漢方薬を使用した治療の研究も行われています。一部の漢方薬には、日本においてインフルエンザ(あるいは流感)の適用を承認されているものがあります。同名処方であっても薬事法に基づく製造販売承認上の効能・効果の承認内容が異なる場合があります(2008年10月現在)。

 

麻黄湯   悪寒・発熱・頭痛・腰痛・自然に汗の出ないものの次の諸症
感冒・インフルエンザ(初期のもの)への効能・効果の承認があります。抗ウイルス薬のタミフルと同じ程度の症状軽減効果があるという報告があります。患者が気管支ぜんそくなどの基礎疾患を有していると差違が生じるとの報告もあります。

 

竹?温胆湯
インフルエンザ・風邪・肺炎などの回復期に熱が長びいたり、平熱になっても気分がさっぱりせず、せきや痰が多くて安眠が出来ないもの、へ能・効果の承認があります。

 

柴胡桂枝湯  発熱・悪寒・身体痛み・頭痛・嘔気のあるものの次の諸症
感冒・流感・肺炎・肺結核などの熱性疾患への効能・効果の承認があります。

 

銀翹散

 

 

インフルエンザにかかったら?

 

小児の場合、急に走りだす・部屋から飛び出そうとする・ウロウロと歩きまわるなどの異常行動を起こす可能性があります。ですので自宅療養の場合、少なくとも発症から2日間、できれば解熱するまではお子さんが1人きりにならないように配慮してください。

 

 

抗インフルエンザ薬の効果は、症状がではじめてからの時間や病状によって異なるため、使用する、しないは、かかりつけの医師の指示にしたがってください。
この薬は、発症から48時間以内の早期に服用すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、鼻やのどからのウィルス排出量も減ります。2日以降に服用すると十分な効果は期待できないため、効果的な使用のためには、用法、用量、期間を守ることが大切です。

 

感染症学会の提言によると、病院や特に高齢者施設では、インフルエンザの流行が大きいため、タミフル、リレンザ、イナビルを状況に応じて予防的に投与することが推奨されています。その他、インフルエンザの治療薬については「タミフル、リレンザ…インフルエンザ治療薬の種類と違い」の記事もご覧ください。

 

 

抗ウイルス薬により早期に症状が解消した場合、十分な/免疫が得られない。

 

英国国立医療技術評価機構(NICE)の診療ガイドラインは、発症してから48時間以内といった条件を満たした場合、オセルタミビルかザナミビルが治療に選択されるとしている。

 

一方でNICEは、アマンタジンはインフルエンザの治療に推奨していない。さらにアメリカ疾病予防管理センター (CDC) も2005年 - 2006年のインフルエンザについてアメリカではアマンタジンとリマンタジン(英語版)を使用しないように勧告を行った(リマンタジンは日本では販売されていない)。このシーズンに流行のインフルエンザウイルスの90%以上がこれらの薬剤に耐性を得ていることが判明したためである。

 

2014年、コクラン共同計画と英国医師会雑誌は共同で、出版バイアスを除外して24,000人以上からのデータを分析し、オセルタミビルとザナミビルは、当初の使用の理由である入院や合併症を減少させるという十分な証拠はなく、成人では発症時間を7日から6.3日に減少させ、小児では効果は不明であり、世界的な備蓄が必要なほどの恩恵があるかどうかの見直しの必要性を報告した。

 

一方、インフルエンザの症状はインフルエンザウイルスに対して免疫が正常に働いている結果であり、薬で無理に抑えないほうがよいという考え方もあります。市販の薬を自己判断で使用することは、かえって逆効果になる場合があるので、医師の指示にしたがってください。

 

インフルエンザウイルスは熱に弱いので、微熱はあえてとる必要はない。熱が高く苦しい場合などには適宜、解熱剤を使用する。

 

予後
感染者が他人へウイルスを伝播させる時期は発症の前日から症状が軽快してのちおよそ2日後までである[1]。症状が軽快してから2日ほど経つまでは通勤や通学は控えた方がよい[64]。

インフルエンザの予防

一般的な予防方法としては、日常生活上の注意とワクチンを使用した予防接種がある

 

予防接種

 

予防の方法
 現在、不活化インフルエンザワクチンの皮下接種が、主にリスクの高い人に対して、重い合併症を予防する目的で行われています。65歳以上の高齢者と、60歳以上の心肺疾患をもつ人が対象で、法律による接種が可能になっています。

 

乳幼児に対するワクチンの予防効果や軽症化については、現在研究中です。

 

インフルエンザワクチン[編集]

 

WHOが年度のワクチン接種を推奨する人口[1]

 

妊婦(全てのステージにて)
6ヶ月-5歳の児童
65歳以上の高齢者
慢性疾患を抱える者
医療従事者

 

インフルエンザワクチン(英語版)は、不活化ワクチンである。インフルエンザ菌、特にHib(Haemophilus influenzae b型)に対するワクチンとの混同を避けるため、「インフルエンザHAワクチン」「沈降インフルエンザワクチンH5N1」と表記される。身体の免疫機構を利用しウイルスを分解・精製したHA蛋白などの成分を体内に入れることで抗体を作らせ、重症化を防ぐ目的に使用される。なお、インフルエンザワクチンに限ってはワクチンは接種を行っても個人差や流行株とワクチン株との抗原性の違い等により、必ずしも十分な感染抑制効果が得られない場合があり、100%の防御効果は無い[30]。
現行の皮下接種ワクチンは感染予防より重症化の防止に重点が置かれた予防法であり、健康な成人でも感染防御レベルの免疫を獲得できる割合は70%弱(同時期に2度接種した場合は90%程度まで上昇)である。感染防御レベルの免疫を得られなかった者の中で発症しても重症化しないレベルの免疫を獲得している割合は80%程度とされる。100万接種あたり1件程度は重篤な副作用の危険性があることなども認識しなければならない。免疫が未発達な乳幼児では発症を予防できる程度の免疫を獲得できる割合は20-30%とされ、接種にかかる費用対効果の問題や数百万接種に1回程度は重篤な後遺症を残す場合があることを認識した上で接種をうける必要がある。2006年の米家族医学会では「2歳以上で健康な小児」への接種を推奨している[31]。 妊婦へ、妊娠中にインフルエンザワクチンを接種すると、産後に母子双方をインフルエンザ発症から保護することが示された[32]。
インフルエンザワクチンの接種不適当な者[33]は、1.明らかな発熱を呈する者、2.重篤な急性疾患にかかっている者、3.本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあるのが明らかな者、4.上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者である(以上、インフルエンザHAワクチン「生研」の添付文書より引用)。
循環器、肝臓、腎疾患などの基礎疾患を有するものや痙攣を起こしたことのある者、気管支喘息患者、免疫不全患者などは接種に注意が必要な「要注意者」とされる。かつてはこれらのような患者には予防接種を「してはならない」という考え方が多かったが、現在ではこれらの患者こそインフルエンザ罹患時に重症化するリスクの大きい患者であり、予防接種のメリットがリスクよりも大きいと考えられている[34]。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであるため、免疫不全患者に接種してもワクチンに対して感染を起こす心配はない。しかし、効果が落ちる可能性はある。

 

弱毒性インフルエンザワクチン[編集]
点鼻ワクチンであり、針を介さないため針を好まない人に有用である。また、生ワクチンであるが故、抗体の定着も良好。適応は5歳以上、50歳未満。禁忌は不活化ワクチンとは対照的に慢性的な循環器・腎臓・呼吸器疾患や代謝疾患、血液疾患、易感染性の者、妊娠している女性、ギラン・バレー症候群を既往に持つ者。副作用で頻繁に起こりうるのは鼻炎や感冒症状。日本では未承認である。よって輸入ワクチン取扱い医療機関にて申込み、全額自己負担での接種となる。

 

ワクチン投与(接種)[編集]
投与手段は皮下注射や筋肉注射であるが、米国では鼻噴霧式のものも認可されている[35][36]。
効果は免疫力に比例するため青年者にはもっとも効果が高いが、若齢者・高齢者は免疫力が低いので効果も低くなる。過労、ストレス、睡眠不足や不摂生な生活をすれば身体の免疫力そのものが低下するのでワクチンを接種したから大丈夫と過信してはいけない。効果は、一般に2週間程度で効果が出始め、3カ月程度は効果があると考えられている。従って、接種2週間後までの不摂生は避けるべきである。
日本におけるワクチンの接種費用は3000?6000円程度が多い。料金は医療機関によって異なり、健康保険の法定給付の対象外である。健康保険組合や国民健康保険組合などでは保険者独自の給付として、被保険者や世帯主に対し接種費用の助成を行う場合もある。65歳以上の高齢者、60?64歳で心臓、腎臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の周りの生活を極度に制限される人、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり日常生活がほとんど不可能な人については予防接種法上の定期接種に指定され、多くの自治体に於いて公費助成が行われている。

 

ワクチン製造[編集]
日本では、インフルエンザウイルスのA型及びB型株をそれぞれ個別に発育鶏卵(鶏の受精卵)で培養し、増殖したウイルスを含む尿膜腔液をゾーナル遠心機による蔗糖密度勾配遠心法により濃縮精製後、ウイルス粒子をエーテル等により処理して分解、ホルマリンで不活化したHA画分を用い、各株ウイルスのHAが規定量含まれるよう希釈調製して製造している。2014-15シーズンまではA型2株とB型1株の3価ワクチンだったが、B型である山形系統とビクトリア系統の混合流行が続いていること、2013年WHOの推奨もあり、2015-16シーズンよりA型2株とB型2株の4価ワクチンが選定された[37]。
鶏の受精卵を使用するワクチンの製造には6か月程度必要であるため、次の冬に流行するウイルス株を正確に予測し適合するワクチンを製造することは難しい。ウイルス株が変異していればその効果はいくぶん低下するが、アフィニティーマチュレーション(抗原結合能成熟)によりある程度の免疫効果が期待できる。これは弱毒性ワクチンよりも不活化ワクチンの方が効果がある[38]。抗原型の一致・不一致にかかわらずもともと免疫のない若齢者では弱毒性ワクチンの方が有効とされている[31]。感染歴のある成人では、交差免疫により生ワクチンウイルスが増殖する前に排除され免疫がつかないこともある。このような場合は、不活化ワクチンの方が高い効果が得られる。
1mLバイアルは、くり返し針を刺して注射液を分取するため、保存剤(チメロサール)を添加している。0.5mLバイアルおよびシリンジ製剤は保存剤なし(チメロサールフリー)。

 

 

副作用[編集]
インフルエンザワクチンは鶏卵アレルギーの患者にも接種の際に注意が必要である。そのため、一部の施設では接種自体行っていない。施設によっては、皮内テストなどを行った上で接種したり、2回に分割して接種する、アドレナリンおよび副腎皮質ステロイド製剤を準備した上で慎重な観察の下に接種するなどの工夫をして接種を行っている。
かつては日本でも学校で集団接種が行われていたが、同様に鶏卵アレルギーの問題のため現在は任意となっている。医療従事者向けに医療機関で実施したり、小中高校・大学などで実施する場合も、個人の意志による自発的な接種と位置づけられている[39]。2006年の報告では、インフルエンザ自体に対する集団接種の効果はある程度はある[40]ものの、費用対効果あるいはリスク対効果の点では不明である。
ギラン・バレー症候群[編集]
1976年に米国でH1N1が発生し、4300万人に予防接種を行った。約400人がギラン・バレー症候群 (GBS) となり、25人が死亡した。インフルエンザによる死亡は0のため大問題になった。1957年にも同様な現象が見られた[41]。CDCによると通常でも毎週80-160例の新規患者が発生している。因果関係は明らかだが、予防接種を中止するほどの問題とはされていない(新型では11月末現在10例)。米国ではVAERS (Vaccine Adverse Events Reporting System) によるワクチン副反応監視が行われている。
予防のための診療ガイドライン (英国)[編集]
英国国立医療技術評価機構の2008年の診療ガイドラインでは、オセルタミビル(タミフル)とザナミビル(リレンザ)の予防利用は、特定のリスク群の項をすべて満たす場合にのみ推奨している[42]。それ以外の場合には、季節的なインフルエンザ流行の予防に対して、オセルタミビルとザナミビルは推奨しないとしている[42]。アマンタジンは、インフルエンザ予防に推奨しないとしている[42]。
治療薬の予防目的使用(日本)[編集]
治療用の薬であるオセルタミビル(商品名「タミフルカプセル75」)、ザナミビル(商品名「リレンザ」)は、予防用としても使用認可されている。予防薬としての処方は日本では健康保険の適用外であり、原則的な利用条件が定められている。
インフルエンザ感染症を発症している患者の同居家族や共同生活者(施設などの同居者)が下記のような場合には、タミフルのカプセル製剤を1日1回、予防使用することが認められている(7?10日間、継続して服用する)。健康成人と13歳未満の小児は予防使用の対象にならない。
高齢者(65歳以上)
慢性呼吸器疾患患者、又は慢性心疾患患者
代謝性疾患患者(糖尿病など)
腎機能障害患者
リレンザの予防投与では、その対象が「原則としてインフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族または共同生活者である次の者[43]:
高齢者(65歳以上)

慢性心疾患患者
代謝性疾患患者(糖尿病等)
腎機能障害患者
オセルタミビル(タミフル)の健常者への予防投与による幾つかの有害事象が、神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科により報告されている[44]274人のアンケートから、報告によれば、「最も多かった症状は「疲労」で、ほかには腹痛、下痢、食欲不振、頭痛、不眠症、発熱などであった。しかし、症状の消失は服用中止後と服用中の報告があり、服用との因果関係は明かではない」としている。

 

インフルエンザの予防に効果が期待できるのがワクチンの接種です。流行シーズンを迎える前の11月ごろの接種をおすすめします。
インフルエンザワクチンは、13歳未満は原則として、2〜4週間の間隔をおいて2回接種します。13歳〜64歳は1回または2回かは医師と相談して決めてください。
65歳以上の高齢者や過去にインフルエンザにかかったことがある人なら、1回の予防接種でも十分な免疫力が得られるといわれています。
効果が現われるのはおよそ2週間後からで、その後約5カ月間持続するといわれています。
費用は、自己負担で、1回/約3000〜5000円程度です。

 

65歳未満の健常者では70〜90%の発病予防効果があり、合併症の併発や高齢者の死亡を減らす効果があることが知られています。

 

行政もワクチンの接種を推奨しています。65歳以上の高齢者とともに、60〜64歳で心臓や呼吸器系、腎臓などの基礎疾患を持つ人をワクチン定期接種の対象と、法令により定めています。市町村による費用補助の対象になっている場合もあります。

 

詳しくはお近くの保健所または医療機関にお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

日常生活上の注意

 

免疫力の低下は感染しやすい状態を作るため、偏らない十分な栄養や睡眠休息を十分とることが大事である。これは風邪やほかのウイルス感染に関しても非常に効果が高い。

 

石鹸による手洗いの励行や、手で目や口を触らないこと、手袋やマスクの着用といった物理的な方法でウイルスへの接触や体内への進入を減らす。ただし、間違ったマスクの使用は感染を拡大させる危険性がある

 

新型インフルエンザに対する飛沫感染防止として医療機関では防塵性の高い使い捨て型のマスクが利用されており、正しい方法で装着し顔にフィットさせなければ有効な防塵性を発揮できない。2005年のCDCガイドラインでは、一般的な季節性インフルエンザに対しては外科用マスク着用で対応可能とされている。

 

感染の可能性が考えられる場所に長時間いることを避ける必要がある。人ごみや感染者のいる場所を避けるなど。予防にマスクを用いた場合は速やかに処分する。
換気をこまめに行う。空気清浄機などでも良い。

 

インフルエンザウイルスは湿度50%以上に加湿された環境では急速に死滅する[22]。このため部屋の湿度(50-60%)を保つことにより、ウイルスを追い出し飛沫感染の確率を大幅に減らすことが可能である。
また、予防効果としてのうがいが有効であると言われてきたが、厚生労働省が作成している予防啓発ポスターには「うがい」の文字がない[23][24]。また、首相官邸ホームページや報道によると明確な根拠や科学的に証明されていないとのこと

 

ウイルスは口や喉の粘膜に付着してから細胞内に侵入するまで20分位しかかからないので20分毎にうがいを続けること自体が非現実的である。

 

ウイルスは鼻の奥で増殖するので、感染してしまった場合手洗いうがいはほとんど意味が無い。

 

感染者が使用した鼻紙やマスクは水分を含ませ密封し、小まめに廃棄や洗濯をする。感染者と同じタオルを使用しない。感染者の触れた物をエチルアルコールや漂白剤などで消毒する。

 

RNAウイルスは日光や消毒薬そしてRNaseに非常に弱いため、衣類に唾液・くしゃみなどが付着したものからの感染は科学的には考えられない[27]。が、一応こまめに洗濯した方がよい。

 

2010年3月にアメリカ臨床栄養ジャーナルに発表された無作為抽出、二重盲検法、プラセボ(偽薬)対照試験の結果では、冬季に毎日1,200IUのビタミンD3を摂取した生徒群は、プラセボを摂取した生徒群に比較して、42%も季節性インフルエンザに罹患する率が低かったとしている

 

 

 

病気に気づいたらどうする
 飛沫によって他人に感染するので、一般的に発熱などの主要症状がなくなるまで登校や出社は停止します。家庭でも感染予防のため、患者さんの気道分泌物の付着した物の扱いに注意し、手洗いとうがいを励行します。

 

感染者がウイルスを排出するのは、症状が出る少し前から、感染後2週間後までの期間である[6][7]。インフルエンザの伝播は、数学的なモデルを用いて近似することが可能で、ウイルスが人口集団の中に広がる様子を予測する上で役に立つ

 

 

予防においては、有症状患者のマスク着用が有用であり、飛沫感染防止に特に効果的であるが、形状や機能性などによっては完全に防げない場合もある。マスクのみでは飛沫核感染や接触感染を防ぐことができないため、手洗いなどの対策も必要である[4]。最も感染を予防できる方法はワクチンである[1]。抗ウイルス薬も存在するが、ウイルスはすぐに耐性を獲得する[1]。

 

 

 

 

<発症後の復帰の目安>
一般的には、インフルエンザ発症前日から、発熱して5日間は、鼻やのどからウィルスを排出するといわれているため、その期間は外出を控える必要があります。
学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としています。ただし、病状により学校医その他の医師が「感染のおそれがない」と認めたときは、この限りではありません。

 

 

まとめ
インフルエンザにかからないようにワクチンを接種し、手洗い、うがい、マスクを着用する予防が一番です。それでも、どうしてもかかってしまうのがインフルエンザの感染力の強さです。風邪と間違わないように、「38度を超える急激な発熱」、「強い倦怠感」、「寒気」などの症状があるときには、インフルエンザの可能性を考えてみましょう。検査で陽性だった場合、発症から48時間以内に適切な抗インフルエンザ薬を服用すると、早期に回復が見込まれます。
なお、2015年のインフルエンザワクチンについては「3価から4価に!今年のインフルエンザワクチンってどんなワクチンなの?」をご参照ください。

インフルエンザの疫学

 

全世界では毎年300-500万人がインフルエンザに感染し、25-50万人の死者を出している[1]。先進国における死者は65歳以上人口が最も多い[1]。また病欠・生産性低下といった社会的コストも大きい[1]。

 

インフルエンザは、毎年12月から1月にかけて猛威を振るいます。

 

 

 

疫学[編集]

 

インフルエンザの季節的な流行。
青は11-4月、赤は4-11月、黄色は一年中
警報・注意報[編集]
国立感染症研究所が、全国の内科・小児科のある病院・診療所で定点調査を行い、公表している。感染症サーベイランス事業の一環として行われる。保健所ごとに基準値を設け患者数が一定数を超えると、大流行が発生または継続しているとみなし「警報レベルに達している」と発表される。流行の発生前で今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性がある場合や流行発生後であるがまだ流行が終わっていない可能性がある場合は「注意報レベルに達している」と発表される。都道府県で個別に発表される警報とは異なるので注意が必要である。

 

 

歴史[編集]
詳細は「インフルエンザウイルス」を参照
語源[編集]
「インフルエンザ」の語は16世紀のイタリアで名付けられた。当時は感染症が伝染性の病原体によって起きるという概念が確立しておらず、何らかの原因で汚れた空気(瘴気、ミアズマ)によって発生するという考え方が主流であった。冬季になると毎年のように流行が発生し春を迎える頃になると終息することから当時の占星術師らは天体の運行や寒気などの影響によって発生するものと考え、この流行性感冒の病名を、「影響」を意味するイタリア語influenzaと名付けた。この語が18世紀にイギリスで流行した際に日常的語彙に持ち込まれ、世界的に使用されるようになった。なお、日本語となっている「インフルエンザ」はイタリア語での読みと違い、イタリア語での読みは「インフルエンツァ」である。
日本では平安時代に近畿地方でインフルエンザらしき病気が流行したと記述が残っており、江戸時代には幾度か全国的に流行し、「お七かぜ」「谷風」[65]「琉球風」「お駒風」など当時の世相を反映した名称で呼ばれた。古くから風邪、風疫とされるとおり、悪い風が吹いて人々を病気にするという認識があった。幕末にはインフルエンザの名称が蘭学者より持ち込まれ、流行性感冒(流感とも略す[66])と訳された[67]。
インフルエンザウイルスによる動物の感染症[編集]
主に動物に感染するインフルエンザ感染症であるが、インフルエンザウイルスの変異によって動物→ヒト、ヒト→ヒトへ感染することも懸念されている。「ヒト→ヒト」への伝染が確認されると新型インフルエンザと呼ばれる。
鳥インフルエンザ[編集]
詳細は「トリインフルエンザ」を参照
原因となるインフルエンザウイルスは人畜共通感染症 (zoonosis) であり、豚と鳥類に感染することが知られている。ヒトインフルエンザは、元は鳥インフルエンザウイルスが遺伝子変異して人間に感染するようになったと考えられている。
これらの動物と人間が密接な生活をしている中国南部の山村などでウイルス遺伝子の混合が起こり次々と変種が登場するものと推測されている。
鳥インフルエンザウイルスには20種ほどのタイプがあり、中でもH1、H2、H3、H5、H7、H9型が知られる。H1・H3型は人間に感染し、Aソ連型・A香港型として知られる。H5、H7、H9型は毒性が強いことで知られる。鳥から人への感染力は弱いと見られ、人への感染例は少ない。しかし感染者の死亡率は60?70%とSARSの10%を上回る。
2003年末から2004年初めにかけ韓国・香港・ベトナムと東アジアで大きな被害を出した鳥インフルエンザはH5N1型である。日本でも2004年1月に山口県で感染ニワトリが見つかったのを皮切りに、各地で鳥類への感染が報告されている。
日本で1925年に同様の被害を出したものはH7型といわれている。
ウマインフルエンザ[編集]
ウマに感染する呼吸器疾患。発見されると競馬の開催が不可能になることが多い。 日本国内での馬インフルエンザは1971年12月に発見され、関東地区を中心に流行。 それ以来競走馬へのワクチン接種が徹底されている。馬から人への感染はしない。

ネコインフルエンザ[編集]
猫インフルエンザは「インフルエンザ様の呼吸器疾患」であり、猫インフルエンザウイルスによるものではない。 ネコヘルペスウィルス1型が原因の猫ウィルス性鼻気管炎や猫カリシウイルスが原因の猫呼吸器疾患を、インフルエンザと症状のみで誤称したものである。 ただしA型インフルエンザウイルスのH5N1亜型はヒト・トリを始めネコにも感染する。
ブタインフルエンザ[編集]
記事が分割され、元記事に体系性を残す際にはサマリースタイルが必要となります。
何も書かれない節ではなく、この節に子記事を要約してください。
詳細は「豚インフルエンザ」を参照
2009年4月、人が豚インフルエンザウイルスA型(H1N1型)に感染する例が確認された[68]。
関連の感染症[編集]
SARS[編集]
2002年から国際的に問題となった重症急性呼吸器症候群 (SARS) と流行時期・初期症状が類似しているため、2003年冬以降はSARSとの鑑別診断が大きな問題となる。初期に確実な診断をするためにも、接種を受けることでインフルエンザを除外しやすくすることが強く求められている。
SARSの原因はSARSコロナウイルスという全く別のウイルスである。
インフルエンザ菌[編集]
インフルエンザウイルスによる感染を細菌の感染と混同し、「インフルエンザ菌」という誤った呼称で用いられることがある。
一方で、北里柴三郎らが1892年に重症のインフルエンザ患者から分離したヘモフィルス・インフルエンザエ (Haemophilus influenzae) という細菌を「インフルエンザ菌」と呼ぶ(グラム陰性桿菌であり「インフルエンザ桿菌」とも呼ばれている)。院内感染でない市中肺炎の原因菌は、肺炎球菌に次いでインフルエンザ菌であることが多い。
当時はウイルスというものの存在は広く認知されておらず、ヘモフィルス・インフルエンザエという細菌がインフルエンザ感染症を引き起こしている病原体の候補であると考えられたが、コッホの原則に基づく証明ができなかった。1933年にインフルエンザウイルスこそが真の病原体であると証明されたことで、この細菌が病原体であるという仮説が否定された。ヘモフィルス・インフルエンザエはインフルエンザウイルスに感染し免疫力が低下した人に二次感染して症状を悪化させていたことが原因であったと考えられる。
インフルエンザ桿菌B型 (Hib) の乳幼児感染症は致死率や後遺症発生率が高いが、予防接種(Hibワクチン)で感染を防ぐことが出来る。世界100か国以上でHibワクチンは定期接種プログラムに組み入れられ、公費負担による接種が行われている。日本では、2007年1月に厚生労働省の承認を取得し、2008年12月から発売されている。

注釈[編集]
「H1N1=ソ連型」ではない。スペイン風邪もH1N1だが、ソ連風邪とは異なる。特に今言われている新型インフルエンザ(俗称「豚インフルエンザ」)もH1N1だが、Aソ連型ではない。ソ連型H1N1はほとんどタミフル耐性だが、新型インフルエンザH1N1ではタミフル耐性株はまだ少ない。日本で流行中のインフルエンザの98%が新型インフルエンザである。
マスクの着用によってインフルエンザを予防することは、欧米およびWHOでは推奨されていないし、十分な予防効果の証拠がないとされる。マスクは湿気を保つためと、感染者が感染を大きく広げないための手段として考えられている。理論的にはウイルスを含む飛沫がマスクの編み目に捉えられると考えられるが、十分な臨床結果を必要とする。

 

 

 

季節性インフルエンザには、A型、B型、C型の3種類があり、全ての年齢層に対して感染し、世界中で繰り返し流行している[1]。日本などの温帯では、季節性インフルエンザは冬季に毎年のように流行する。通常、11月下旬から12月上旬頃に最初の発生、12月下旬に小ピーク。学校が冬休みの間は小康状態で、翌年の1-3月頃にその数が増加しピークを迎えて4-5月には流行は収まるパターンであるが、冬季だけに流行する感染症では無く夏期にも流行する事がある[2]。A型は平均相対湿度50%以下になると流行しやすくなると報告されている[3]。

 

 

 

 

A型インフルエンザウイルスは、毎年流行する亜型や株が異なるが、一シーズンについて見ると流行しているウイルス(流行株)は、世界各地でほぼ同一であり、同時に流行しているのは数種類にとどまる。この特徴は、ワクチンによる予防を行う上でも重要であり、発生が早かった地域でのウイルス検出情報から、その年に流行する株に有効なワクチンが予測され接種されている。一方、B型インフルエンザウイルスにはこのような特徴はあまり見られず、変異の幅が少ないながら多種類の株が同時に流行する傾向がある。

 

 

田島クリニック

〒231-0023 横浜市中区山下町118-1 エトワール山下1F
TEL 045(264)8332
www.tajimaclinic.yokohama


1F Etoile Yamashita, 118-1 Yamashita -Cho, Naka-ku, Yokohama, 231-0023

English Available ! !

関連ページ

高血圧
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
脂質異常症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
糖尿病
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
高尿酸血症・痛風
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
肝機能障害
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
腎機能障害
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
不整脈
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
逆流性食道炎
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
胃炎とヘリコバクターピロリ
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
機能性ディスペプシア
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
がん・悪性腫瘍
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
気管支喘息
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
アレルギー
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
花粉症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
甲状腺疾患・ホルモンの病気
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
貧血
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児感染症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児呼吸器疾患
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児消化器疾患
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児皮膚疾患
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児整形外科
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
アトピー性皮膚炎
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
じんま疹
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
痒疹
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
足白癬(水虫)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
爪白癬
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
尋常性疣贅(いぼ)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
うおのめ(鶏眼)・たこ(胼胝)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
骨粗しょう症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
変形性頚椎症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
変形性腰椎症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
変形性膝関節症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
変形性股関節症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
関節リウマチ
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
肩関節周囲炎(五十肩)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
頭痛
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
不眠症・睡眠障害
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
うつ病・不安神経症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
手足のしびれ・つり
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
予防接種・ワクチン
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
検査結果の読み方
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
高血圧
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
脂質代謝異常症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
糖尿病
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
高尿酸血症・痛風
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
肝機能障害
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
腎機能障害
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
脳卒中(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
不整脈
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
逆流性食道炎
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
胃炎とヘリコバクターピロリ
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
機能性ディスペプシア
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
がん・悪性腫瘍
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
肺がん
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
胃がん
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
大腸がん
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
乳がん
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
前立腺がん
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
気管支喘息
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
アレルギー
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
花粉症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
甲状腺疾患・ホルモンの病気
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
貧血
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児感染症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
突発性発疹
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
麻疹(はしか)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
風疹(ふうしん)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
水痘(みずぼうそう)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
溶連菌感染症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
ヘルパンギーナ
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
手足口病
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
伝染性単核球症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
伝染性紅斑
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
RSウイルス感染症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児呼吸器疾患
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児消化器疾患
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児皮膚疾患
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
みずいぼ
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児整形外科疾患
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
アトピー性皮膚炎
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
じんま疹 Uriticaria
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
痒疹
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
足白癬(水虫)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
爪白癬
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
尋常性疣贅
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック

診療時間


HOME クリニックについて 診療科と診療時間 院内設備 健康診断・人間ドック 自費診療のご案内