伝染性単核球症(Infectious mononucleosis キス病)とは?
伝染性単核球症(Infectious mononucleosis IM)とは、主にEBウイルス(エプスタイン・バール・ウイルス・Epstein-Barr virus EBV)の初感染によって生じる急性感染症です。キス(接吻)などによる唾液を介した感染が多いので一般に <キス病> とも呼ばれています。倦怠感・発熱・咽頭炎・リンパ節腫脹などが特徴的な症状です。
1889年にドイツ人小児科医のエミール・ファイファーによって一連の症候群として初めて報告されました。欧州では <ファイファー病> として知られています。
伝染性単核球症の原因
|EBウイルスの感染経路
EBウイルスは唾液に親和性が高く、その感染経路は唾液を介しての経口(直接)感染(口移し・回し飲み・ディープキスなど)・飛沫感染です。一部、輸血による感染も報告されています。
EBウイルスやサイトメガロウイルスにかかったことのある人は終生ウイルスが体内に潜伏し、唾液のなかにウイルスを排泄しています。
|EBウイルスとは?
伝染性単核球症の原因であるEBウイルスには次のような特徴があります。
- ヒトヘルペスウイルス科γ亜科(ヒトヘルペスウイルス4型)
- 2本鎖DNAウイルス(約172kbp)
- 直径 約150〜220nm
- 一度宿主に感染すると一生その宿主に潜伏感染(主にB細胞)
- 免疫抑制状態下で再活性化・症状再現
伝染性単核球症の原因ウイルス
伝染性単核球症ほとんどがEBV の初感染によりますが、次のようなウイルス(病原体)でも発症します。
- サイトメガロウイルス(CMV)(乳幼児に多い)
- HHV‐6
- アデノウイルス(ADV)
- 単純ヘルペスウイルス(HSV)
- ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
- A型肝炎ウイルス(HAV)
- B型肝炎ウイルス(HBV)
- トキソプラズマ
- リケッチア
|伝染性単核球症の病態生理
EBウィルスは感染すると宿主内部の鼻咽頭部の細胞や免疫系のB細胞に感染・増殖し、血液中の細胞や唾液中に終生残存し無症状のまま口腔咽頭から間欠的に排出されます。そしてキス(接吻)などの接触行為により、唾液中に存在するウィルスが経口感染して伝染性単核球症を発症します。その分子生物学的機序は次の通りです。
STEP1.ウイルスが細胞に結合・感染(細胞に吸着)
感染の第1段階としてウイルスと細胞が結合します。
EBV膜表面タンパク(envelope蛋白) gp350/220 + 細胞上の補体レセプターCD21
補体レセプターCD21は主にB リンパ球、その他・T リンパ球・NK細胞・咽頭上皮を含む上皮細胞にも発現しています。EBウイルス感染のターゲットとなります。
STEP2. ウイルスの細胞内への侵入
結合後ウイルスはエンドサイトーシス(endocytosis) により細胞内に取り込まれます。ウイルスDNA はウイルス粒子の中では線状で存在し、潜伏感染状態では環状に変化し、核内で維持されます。
STEP3.潜伏感染状態
ウイルスの産生はされません。ウイルス内に一部の遺伝子(EBNA‐1,‐2,‐ 3a,‐3b,‐3c, ‐LP, LMP‐1,‐ 2a,‐ 2b, BARF0, EBER‐1,‐2)のみが発現している状態です。
STEP4.再活性化(Reactivation)
ウイルスが再度活性化され症状が発現します。次のような段階を経て、順次抗原が産生されウイルス粒子が生み出されます。
1.前早期抗原(immediate early antigen IEA)(BZLF1 ・ BRLF 1)
2.早期抗原(early antigen EA)(酵素類)
3.後期抗原(late antigen LA)(Capsid 蛋白・Envelope 蛋白)
4.ウイルス粒子の産生開始
STEP5.ウイルス増殖期
EBウイルス が増殖サイクル(Lytic cycle)に入るとviral IL‐10(vIL‐10)が産生されます。Stewart ら(1992年)・Taga ら(1995年)7)によって報告されました。
IL‐10の役割
- ヘルパーT細胞(Th1)の機能を抑制
- T リンパ球の増殖
- IFN‐γ/IL‐2の産生を抑制
- B リンパ球の増殖
- 免疫グロブリンの産生
- EBV 感染B リンパ球の増加
|EBウイルスと悪性腫瘍
EBウイルスは主に白血球のB細胞に感染します。このためEBウイルスは統計的に,バーキットリンパ腫・免疫不全の患者におけるある種のB細胞腫瘍・鼻咽喉癌と関連があり,おそらく原因的役割があると考えされています。
|異形リンパ球の発生するメカニズム
上咽頭における初期の複製後,ウイルスは異種親和性抗体を含め免疫グロブリン分泌のため誘導されたBリンパ球に感染します。このため形態学的に異常な(異型)リンパ球が,主にCD8 + T細胞から発生します。
健康なEBV血清陽性成人の口腔咽頭分泌物中に15〜25%の率で検出されます。排出の頻度および力価は,免疫不全の患者(臓器同種移植レシピエント・HIV感染者など)において上昇します。
伝染性単核球症の症状
伝染性単核球症は一般に、発熱・咽頭痛・リンパ節腫脹 の三徴を特徴とします。
|伝染性単核球症の潜伏期間
ウイルスが体内に侵入し、感染してから発病するまでの潜伏期間は比較的長く6〜8週間(約30〜50日間)です。
|伝染性単核球症の幼少期の症状
多くは小児期にEBウイルスに初感染します。1〜2歳程度の幼少児の初感染では症状は出現しないか軽度です。日本では小児期に感染している人が多く、症状のないまま抗体ができていることが大ほとんどです。逆に成人になってから初感染した場合、症状が重症化します。初期症状は次の通りです。
- 発熱(突然の38℃以上の高熱 ・ 1〜2週間持続 重症例では1ヶ月)
- 咽 頭 痛
- 化膿性扁桃炎(口蓋扁桃が発赤・腫脹し 扁桃表面に白苔が付着)
発熱と口蓋扁桃の膿栓(白苔)を伴った腫脹・発赤が見られる程度で、特異的な症状がないことが多いです。つまり小児の初感染では伝染性単核球症と診断されないことが多く <扁桃炎> と診断されて、見過ごされているケースも多くあります。
発熱のないこともありますが、通常は発病から4〜8日が最も高熱で、以後徐々に下がってきます。
更に次のような症状も出現します。
- イチゴ舌(ぜつ)
- 頚部リンパ節腫脹(急性扁桃炎の影響)
- 肝機能障害
- 肝臓・脾臓の腫大
- 食欲不振(咽頭痛・肝機能障害による)
- 眼瞼(上まぶた)・眼窩周囲の浮腫(むくみ)
|伝染性単核球症の年長児・成人の症状
伝染性単核球症の症状は,年長児および成人で最も多く発現します。小児期に感染すると症状を伴わない(不顕性感染)ことが多く、その成人期には80%以上の人は抗体を保有しています。症状が発現するケースとしては成人期に初感染した場合です。年長児から青年期、あるいはそれ以上の年齢で初感染した場合、一般的に小児より重症化します。男性、・女性ともに同じような症状が出ます。
- 発 熱
- 全身倦怠感
- 咽頭痛
- 口蓋扁桃の発赤腫脹
- 鼻閉(アデノイド腫脹による)
- リンパ節腫脹(全身特に頚部のリンパ節)
- 発疹
- 肝脾腫(肝臓・脾臓の腫大)
- 肝機能異常
発熱は高頻度に認められます。多くの場合38 ℃以上の高熱が発症し、その期間は一般的なウイルス感染症よりも長く1〜2週間持続する場合が多いです。通常午後または夕方早くに39.5℃付近でピークとなるが,40.5℃まで上昇することもあります。疲労感や発熱が重症の時には発症および回復はよりゆっくりとした経過となります。
一般的に最初に倦怠感・疲労感が生じ、それが数日〜1週間以上続いた後に発熱・咽頭炎・およびリンパ節腫脹が認められます。これらの症状のいくつかは起こらないこともあります。倦怠感・疲労感は数カ月続きうるが,通常は最初の2?3週間に最大となります。
咽頭炎は一般的に重症で痛みも強いことが多いです。滲出性咽頭炎のことがあり溶連菌感染症による咽頭炎に類似することがある。
扁桃には白苔沈着・偽膜形成を認め、口蓋は発赤が著明で出血斑を認めることもあります。強い咽頭痛を伴います。
扁桃腺(アデノイド)腫脹により鼻が詰まった感じがします。
リンパ節腫脹(化膿性リンパ節炎)は1〜2週頃をピークとして全身に認められます。一般的に対称性で、全身のどのリンパ節も腫脹します。特に前頚部および後頚部リンパ節が顕著です。他の症状が典型的でなく、リンパ節腫脹(化膿性リンパ節炎)が唯一の症状となる場合があります。
発疹は主に体幹・上肢に出現します。その所見は、斑状・丘疹状の麻疹あるいは風疹のような紅斑です。口蓋粘膜に発疹が出現することもあり、形態は多彩です。
特にペニシリン系抗生剤アンピシリン(アミノベンジルペニシリン ABPC) を投与すると薬疹を生じて、鮮明な浸出性紅斑様皮疹や丘疹などが発症(誘発)しやくすくなるといわれています。
肝臓・脾臓の腫大(肝脾腫)は約50%の症例ににみられます。肝腫大の方が頻度が高いです。発症後2〜3週の間に最大となります。脾腫は時に巨大脾腫から脾破裂に至ることもあるので注意を要します。
- 肝 臓 軽度の肝腫大および肝の打診圧痛 ・ 肋骨弓下1〜2 横指触知可能
- 脾 臓 脾臓の端が触知可能
豆ちしき
一般にサイトメガロウイルス(CMV)による場合は、EBウイルスより咽頭扁桃炎・巨大脾腫の頻度が少なく、異好抗体を産生しないといわれています。
肝機能障害は軽度〜中等度です。発熱第2週にピークになることが多いので、必ず2回以上の検査を受けてください。
|伝染性単核球症の合併症
伝染性単核球症は通常は経過とともに完全に回復しますが、もし合併症に陥った場合重症となります。
伝染性単核球症の影響が中枢神経系に及んだ場合、次のような病態となります。
- 脳 炎
- 無菌性髄膜炎
- 急性片麻痺
- Guillain‐Barre(ギラン-バレー)症候群
- 視神経炎
- 脳神経麻痺
- 末梢神経炎末梢神経障害
- 横断性脊髄炎
- 急性小脳失調
- 中枢神経系のリンパ腫
- 脊髄炎
- 精神病
脳炎は小脳機能不全を伴うこともあれば,全脳性で急速進行性の場合もあります。単純ヘルペス脳炎に症状は類似します。通常は自己限定性である。
伝染性単核球症の血液系の合併症には次のようなものがあります。
- 顆粒球減少症
- 血小板減少症
- 溶血性貧血(抗i特異抗体による血球破壊)
- 再生不良性貧血
一過性で軽度の顆粒球減少症または血小板減少症は,患者の約50%に起こります。細菌感染または出血を伴う重症例の起こる頻度は低いです。
伝染性単核球症の合併症で最も重篤な病態です。脾腫大および嚢腫大により起こりうるが脾腫大および嚢腫大は発症10?21日後に最大となります。脾臓が破裂した時、通常痛みを伴います。痛みを伴わなわず破裂し、そのまま低血圧となるケースもあります。
伝染性単核球症の際の脾破裂は外傷がなくても発症します。外傷を契機に脾破裂したケースは、全体の約半数といわれています。
症状を伴わないEBウイルスの間質性肺浸潤は小児の患者様に最も多く起こます。胸部X線検査で確認できます。コルチコステロイドに反応性が良好なのでステロイドで治療します。また稀に咽頭・気管傍リンパ節腫脹による上気道閉塞が認められることがあります。
伝染性単核球症により肝臓腫大となりますが、それに伴い肝機能障害となります。次のような特徴があります。
- 約95%の症例 アミノトランスフェラーゼ(AST・ALTなど)の上昇
- アミノトランスフェラーゼの上昇 正常の約2〜3倍(300〜500IU/L 程度)
- アミノトランスフェラーゼの上昇 第2週頃をピーク ・ 3〜4週後正常化
- 黄疸を伴うことは稀
黄疸またはアミノトランスフェラーゼ(AST・ALTなど)が著明に上昇した場合(数千IU/L以上)は 肝炎・肝機能障害の他の原因を調べる必要があります。
EBウイルスは主に白血球のB細胞に感染します。それが原因で血球の悪性腫瘍が発症しやすいと考えられています。
稀な合併症ですが、炎症が心臓に及んだ場合に発症します。
|伝染性単核球症の特別な病態 〜 X連鎖リンパ球増殖性症候群
伝染性単核球症は通常そのまま治癒して行くself‐limited な疾患で、重症化する劇症感染は時々発症する程度です。しかし遺伝疾患である
伴性劣性リンパ球増殖症候群(X‐linked lymphoproliferative syndrome XLP Duncan 病)
の患者様の家系内では集中的に発生しうる可能性があります。
伴性劣性リンパ球増殖症候群(X‐linked lymphoproliferative syndrome XLP)
先天的にEBウイルス特異的CTL 活性が誘導されないため、不死化したBリンパ球が減少しません。NK活性も低下し、致死性伝染性単核症となります。XLPの患者様でEBウイルスに初感染の生存者の方は無ガンマグロブリン血症またはリンパ腫を発症するリスクがあります
伝染性単核球症の検査と診断
|伝染性単核球症の検査方法
伝染性単核球症に対しては、血液検査・肝機能検査・血清学的検査(抗体検査)・肝臓/脾臓検査 を行います。
伝染性単核球症の血液検査では、典型的には白血球数が増加し異型リンパ球が出現します。次のような特徴があります。
形態学的に異型なリンパ球が白血球の最大80%を占める。個々のリンパ球は白血病リンパ球に似ていることがあるが,リンパ球は異型で,白血病によるものとは異なる。
リンパ球増加は診断基準にも含まれており、特徴的な所見であるが、一部に白血球減少を認める場合もある。異型リンパ球は、Bリンパ球増殖に対しておこったCD4 陽性細胞や、NK 細胞から産生されたサイトカインにより、CD8 陽性cytotoxic T lymphocyte (CTL)が活性化したものであるといわれている。10%から中には50%と著増する場合もあるが、中には数%以下の症例も認められる。CD4/CD8 比はCD4 陽性細胞の減少、CD8 陽性細胞の増加により1以下である場合が多い。
2〜3日で自然軽快してしまうので、それ以上の追究もほとんどされないものと思われる。血液検査を行えば、異型リンパ球の出現などから本疾患を疑える可能性はあり、血清診断は理論上可能である。
思春期以降に感染した場合、約50%が発病しますが、約4〜6週間で症状は自然になくなると言われています。6ヵ月以上症状が続く場合は重症化している可能性があり、注意が必要です。
血液検査では異型リンパ球の増加が特徴的で、肝機能検査で異常が見られる場合は入院治療が必要になることがあります。
- 白血球総数 正常またはやや増加(15,000μl以上が多い)
- 好中球数は正常ないまたは減少(百分率は低下)
- リンパ球の著しい増加(10%以上診断上有意)
- 異型リンパ球の出現(5%以上が多い・10%以上診断上有意)
伝染性単核球症の鑑別において 平均リンパ球/白血球比(L/WBCC) cut off 0.35 とすることで、特異度100%・感度90%との報告があります。
異型リンパ球は、EBウイルスがBリンパ球に感染し、感染細胞に対する細胞性免疫反応により活性化された幼若なT細胞が増加することによります
伝染性単核球症ほとんどの症例で肝脾腫を伴います。それにより肝機能障害となりトランスアミナーゼ(AST・ ALT)が上昇します。肝炎を疑われる場合も多くあります。
肝機能検査のALT(GPT)・AST値(GOT)は上昇しますが、ほとんどの例で300〜400IUl以下になります
血液検査より更に精度の高い検査として、血清学的検査があります。抗体を直接検出し診断します。感染したBリンパ球は抗体を産生します。その中には数種類の抗体が存在します。
伝染性単核球症 ・ 抗体の種類
(1)異種親和性抗体(異好性抗体) EBVと反応しない抗体(ポール・バンネル(Paul-Bannell)反応)
(2)EBウイルスに体する抗体 抗VCA/EA/EBNA抗体
(3)好中球/ 赤血球/ 血小板に対する抗体 合併症の原因(脾破裂・ギランバレー症候群・顔面神経麻痺・溶血性貧血など)
1.異種親和性抗体(異好性抗体)検査 〜 ポール・バンネル(Paul-Bannell)反応
伝染性単核球症の患者様の血清中にはヒツジ・ウマ・ウシ・ヤギの赤血球を凝集させる物質(heterophile agglutinin )が存在します。この凝集素の特異な吸収パターンを利用し、主にヒツジの赤血球を凝集させる異種親和性抗体(異好性抗体)(IgM抗体)を利用したポール・バンネル(Paul-Bannell)反応を用いた検査法です。つまりポール・バンネル(Paul-Bannell)抗体が多く検出されればEBウイルスの感染を診断できます。異種親和性抗体は,各種カード凝集(Monospot)試験により測定されます。
異種親和性抗体(異好性抗体)は5歳未満の患者ではわずか50%に存在するに過ぎないが,EBVに一次感染した青少年および成人では90%に存在すします
Paul-Bunnell反応の問題点
白人に対してはPaul-Bunnell反応は陽性率80%なのに対し、日本人の場合は陽性率30%以下と陽性率が低いのがディメリットです。2015年の時点ではPaul-Bunnell検査よりEBウイルスの抗体価を直接測定するのが主流となっています。
豆ちしき
1932年にJ.R.PaulとW.W.Bunnellが伝染性単核球症の患者血清中にヒツジの赤血球を凝集させる抗体が多量に出現していることを発見しました。
2.EBウイルスに対する抗体検査(EBウイルス抗体価測定)
伝染性単核球症では患者様の体内で、免疫反応によりEBウイルスの抗体が産生されます。その抗体の量を定量し診断します。EBVに対する抗体反応検査には多くの種類があります。これらを総合的に判断してその病態を理解することが重要です。
(1)EBウイルスの 特異抗体の分類
EBウイルスの 特異抗体は大きく分類すると次の3種類があります。
1.抗VCA (virus capsid antigen )抗体 抗VCA-IgM/IgG/IgA抗体
2.抗EA (early antigen )抗体 抗EA-IgG/IgM抗体
3.抗EBNA (EBV nuclear antigen)抗体 抗EBNA-IgG抗体
(2)各ウイルス抗体の特徴
抗EA-IgG抗体
- は急性期の終わりから回復期に出現
- EBNA 抗体より早く検出
- 数カ月の経過で陰性化
- その後再活性化に伴い再び検出
抗EA-IgM抗体
- 急性期のほとんどの症例で検出
- 検出期間が長い
- 回復期でも陽性が持続することもある
抗EBNA 抗体
- 抗体の上昇が遅い
- 感染後数カ月経過してから検出
- 急性期では陰性その後陽性が持続(抗EA IgG抗体との相違点)
(3)抗体を利用した診断の方法
症状から伝染性単核球症を疑った時上記の各種抗体を用いての伝染性単核球症の診断方法は次のようになります。
伝染性単核球症の確定診断
異種親和性抗体は伝染性単核球症感染の14〜21日に上昇します。症状から伝染性単核球症が疑われるが異種親和性抗体検査(-)の場合、発症の7〜10日後に検査を繰り返すことをお勧め致します。それでも異種親和性抗体(-)の時にはEBウイルスに対する特異抗体を測定します。EBウイルス抗体価により急性EBウイルス感染が確定しない場合サイトメガロウイルス(CMV)などの異種親和性抗体(-)の伝染性単核球症様症候群を鑑別診断として考えます。異種親和性抗体は回復後6〜12カ月間持続することがあります。
Step1.異種親和性抗体の定性・定量
陽性の場合 : 伝染性単核球症の確定診断
陰性の場合 : ウイルス特異抗体の定性・定量(血清検査)
Step2. ウイルス特異抗体の検出
抗VCA抗体(カプシド) IgM(+) 急性感染 ・ IgG(+) 既感染
抗EBNA抗体(核) 感染後6-12週で上昇 ・ 急性感染でないことを意味
抗EA抗体(early antigen) 抗D抗原IgGは急性感染の指標(精度は低い)
4歳以下の小児では異種親和性抗体がずっと検出されない可能性があります。
初期の感染か過去の感染かの診断
抗EBNA抗体が初感染後数ヶ月を経ないと出現しないのに対し、抗EA・VCA抗体は急性期にも出現していることを利用し診断します。抗EBNA抗体の上昇が遅く、EA IgM が陰性化してもなおEBNA 抗体陰性の時期がある場合があるので注意が必要です。この場合EBウイルスカプシド抗原(VCA)に対するIgM抗体(抗VCA抗体-IgM)がEBウイルスの一次感染急性期を示唆します。この抗VCA抗体-IgM)は感染後3カ月以内に消失します。抗VCA抗体-IgGは終生高い状態を持続するのでし急性の感染と過去の感染とを区別できません。
初感染パターン 抗EBNA抗体(-) ・ 抗VCA/EA-IgGまたは/かつIgM抗体(+)
抗VCA/EA抗体陽性ならば急性感染の可能性が高い(抗EA抗体は偽陰性が多い)
既感染パターン 抗EBNA抗体(+) ・ 他の抗体通常(-)
症状の原因としてEBV感染は考えにくい。(抗VCA-IgG抗体は既感染パターンでも検出される。通常は低値(蛍光抗体法で160倍以下)である)
サイトメガロウイルスについては、抗CMV-IgGおよびIgMを調べます。IgM陽性の場合は急性感染の可能性が高いです。その他血液中のサイトメガロウイルスDNAを核酸増幅法(PCR)で調べることもあります。
3.伝染性単核球症の小児の診断基準
小児の伝染性単核球症は通常、抗VCAおよびEA抗体(IgG ・IgM ・ IgA 抗体)の測定で診断可能です。
抗VCA IgM 抗体 一般的に初感染急性期に検出
乳幼児では検出されない場合があります。慢性活動性EBウイルス感染症の場合にも陽性になることがあります。判断には注意を要することもあります。
抗VCA IgG 抗体 急性期〜回復期に上昇します。その後陽性が持続
年長児の方が早く上昇するので、乳幼児との鑑別に有用です。
抗VCA IgA 抗体
上咽頭癌や慢性活動性EBウイルス感染症などの特異な病態で多く検出されます。
同一患者から採取された1組の急性期血清および回復期血清のことです。感染初期の血清を急性期血清とし、病気が回復した後の血清を回復期血清とし、その抗体価の上昇を指標として血清学的診断を行います。感染症の診断、ワクチンの効果の判定に使用されます。
一つの抗体価のみでEBウイルス感染症の病態を把握することは困難です。一般的に診断には特異的IgM抗体の検出が重要ですが、乳幼児では陰性例が多くありますので確定診断に至らないケースもあります。このため急性期と回復期(4〜6週後)の2回以上の血液検査(ペア血清法)が必要になります。必要ならば更に数カ月後の複数の血清を用いて結果を最終的に判断すべきです。
4.ウイルス遺伝子検査(分子生物学的検査)
近年、ウイルスの遺伝子を同定する遺伝子検査(分子生物学的検査)が行われるようになりました。RT-PCR(Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction)法を用いて血漿中に存在しているEBウイルスの遺伝子(free EBV genome)の量を測定し定量化・診断に応用できるようになってきました。
ウイルスの遺伝子(RNA)を検出し、それを逆転写酵素(Reverse Transcriptase)によりc-DNAを作製します。c-DNA を Polymerase Chain Reactionにより大量に増幅し、それを検出することにより確定診断します。
伝染性単核球症の急性期の95%の症例では血漿1ml 中に平均10 2.4個のウイルスが存在するが、その後徐々に減少し、1カ月以内に消失するという報告もあります。また重症例である EBV associated hemophagocytic syndrome(EB‐VAHS) や移植後の post‐transplant lymphoproliferative disorder (PTLD) の症例などでは著明にウイルス量が増加しており、血漿1ml 中のウイルス量は10 5.5〜10 7.4個にまで増加すると報告されています。
伝染性単核球症ではほとんどの症例で肝臓や脾臓の腫大を認めます。そのため触診や超音波(エコー)検査などでの検査が必要です。
伝染性単核球症の診断に必要なその他の検査結果・所見は次のとおりです。一般的に炎症反応が陽性の方向に行きます。
- 赤血球沈降速度(ESR)の亢進
- ポリクローナルな高ガンマグロブリン血症
- リウマチ因子(+)
- 寒冷凝集素(+)
- 抗核抗体の産生(+)
これらの検査結果はEBウイルスによる伝染性単核球症だけでなくサイトメガロウイルス(CMV)による伝染性単核球症においても認められます。
|伝染性単核球症の鑑別診断
伝染性単核球症が疑うべきは典型的な症状と徴候を有する患者様ですが、実際には多彩な症状を呈すため、他の疾患と鑑別を要する場合が多く見られます。鑑別すべき疾患とそのポイントは次の通りです。
1.症状による鑑別
扁桃炎を起こす病気
- A群β溶連菌(溶血連鎖球菌)
- アデノウイルス(プール熱)
リンパ節・肝臓・脾臓の腫大
- 急性リンパ性白血病
- 悪性リンパ腫
- 風疹
- A型肝炎
異型リンパ球の発生
- 急性リンパ性白血病の白血病細胞
悪性リンパ腫や亜急性壊死性リンパ節炎などと鑑別を要する場合があります。この際には血清診断・リンパ節生検を行います
肺炎・喘息様気管支炎(呼吸器疾患)
- サイトメガロウイルス感染症
- RSウイルス(急性細気管支炎)
- クラミジア肺炎
2.疾患による鑑別
A群β溶連菌(溶血連鎖球菌)
類似点 : 滲出性咽頭炎・前頚部リンパ節腫脹・発熱
鑑別点 : 後頚部リンパ節炎・全身性リンパ節炎・肝脾腫大は伝染性単核球症を示唆
口腔咽頭においてレンサ球菌が検出されても、100%伝染性単核球症を除外できません
サイトメガロウイルス(CMV)
類似点 : 肝脾腫大・肝炎・肝機能障害・異型リンパ球増加
鑑別点 : 重度の咽頭炎・扁桃炎なし
トキソプラズマ症・B型肝炎・風疹・HIV一次感染・薬物有害作用
類似点 : 異型リンパ球増加
鑑別点 : 他の臨床的特徴が異なる
伝染性単核球症の治療
EBウイルスに対する治療薬はないため、対症療法と安静が基本です。自然に治る傾向の強い予後良好な疾患なので一般的には対症療法で十分です。急性期は約2週間続き疾患期間は様々ですが安静にしていれば、ほとんどが約4〜6週間で自然に治ります。注意すべき点は次の通りです。
|伝染性単核球症のポイント
咽頭痛には通常非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)を使用します。奏功しない場合副腎皮質ホルモン薬投与を考慮します。副腎皮質ホルモン薬(コルチコステロイド)は解熱を早め咽頭炎を緩和しますが、合併症がない場合には一般的に推奨されません。
伝染性単核球症が重症化し、切迫した気道閉塞・重度の血小板減少症・溶血性貧血などの合併症が出現した際には副腎皮質ホルモン薬の投与が有効です
ペニシリン系抗生物質(アンピシリン(ABPC)など)を使用した場合、薬疹を誘発する可能性もあります。ペニシリン系抗生物質のみならず、セフェム系抗生物質を服用するのも控えましょう。比較的高率に細菌の混合感染をおこすことがあり、その場合には医師の指示により抗生物質を服用することもあります。
肝機能障害には肝庇護剤を投与し治療します。重症の肝機能異常の場合は入院治療が必要です。
脾臓や肝臓の腫大も約1カ月で回復します。まれに脾臓破裂を起こすことがあります。脾臓が破裂すると腹腔内に出血したり、出血性ショックになったり急激に重篤な状況に陥ることもあり、非常に危険な合併症です。脾破裂を予防するためには、重量物を持ち上げたり、体が接触し合うスポーツは、伝染性単核球症発症後1カ月および脾腫が消失するまでは避けるべきです。治癒後も2ヵ月ほどは、腹部に圧力や衝撃がかかる運動などは避けるようにします。
肝臓・脾臓の腫大のレベル(肝脾腫)は腹部エコー(超音波検査)によるモニタリングで可能です。
伝染性単核球症は一般的には予後は比較的良好ですが、一部には短期間で重症化し死亡する例や、3カ月以上症状が続く慢性活動性の経過をとる例も存在します。重症例や致死的伝染性単核球症 が疑われる場合には、抗ウイルス剤を併用したウイルス特異的な治療法が必要になります。
- アシクロビル(Acyclovir)(経口・静注投与)
口腔・鼻・咽頭へのウイルスの排泄は抑制するが、症状改善の効果が認められていません。臨床使用を正当化する納得のいく根拠はありません。
- ガンシクロビル(Ganciclovir) 抗サイトメガロウイルス(CMV)剤
- ホスカビル(Foscarnet) 抗サイトメガロウイルス(CMV)剤
- ビダラビン(vidarabine)(Ara‐A) 抗ヘルペスウイルス剤
重症型の慢性活動性EBウイルス感染症などに用いられているのみです。
|EBウイルスによる移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)の発症
近年移植医療の進歩に伴いEBウイルスによる移植後リンパ増殖性疾患(PTLD(Post-Transplant Lymphoproliferative Disorders)) の発症が問題になっています。その場合には、次のような治療法が試みられています。
- 化学療法
- EBV 特異的CTL 療法
- 抗CD20単クローン抗体
- 造血幹細胞移植
治療
EBウイルスによる伝染性単核球症に特異的な治療法はなく、対症療法が中心となる。肝脾腫が強い例では、腹部への衝撃により脾破裂が起こった例もあるため、安静が必要である。小児など、咽頭痛や全身倦怠感のために経口摂取不良となった場合には、入院して補液を行う必要がある。抗菌薬は伝染性単核球症それ自体には無効である。発疹を誘発する可能性があるので、この疾患が疑われた際には、ペニシリン系抗生物質のみならず、セフェム系抗生物質の投与も控えるべきであろう。ただ、比較的高率に細菌による混合感染をおこすとする報告もあり、血液検査所見から混合感染が疑われた場合には抗菌薬の投与を行うという選択肢も考慮に入れるべきであろう。
特に重症である例(発熱が長期に持続する、全身状態が著しく不良である、血球減少が見られ血球貪食症候群の合併が懸念される、など)では副腎皮質ステロイド投与やガンマグロブリン大量投与が行われることもある。
サイトメガロウイルスにはガンシクロビル(GCV)が有効である可能性があるが、骨髄抑制、腎障害など重篤な副作用があるため、伝染性単核症には通常用いられない(GCVは造血幹細胞移植後など、免疫不全状態の患者の重篤なCMV感染症に適応がある)。
予後
EBウイルスによる伝染性単核球症は通常、約4〜6週間で症状は自然になくなるが、まれに数ヶ月以上症状が持続し、全身状態が極めて重篤となる極めて予後不良の例があることが知られるようになった。このような例ではEBウイルスが持続的に活動していることが証明され、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)という病態として区別される。
EBVは慢性疲労症候群を引き起こさない。しかしながら,ときに発熱,間質性肺炎,汎血球減少症,およびぶどう膜炎からなる症候群を引き起こしうる(すなわち,慢性活動型EBV)。
伝染性単核球症の予防
近年国内では麻疹や百日咳に加え伝染性単核球症(Infectious Mononucleosis IM)の感染が(とくに若い男女の間で)年を追って増加しています。EBウイルス(エプスタイン・バーウィルス Epstein-Barr virus)に感染して発症します。キスや口移しなどの行為で唾液を介して感染するのでキス病(Kissing disease)とも呼ばれています。
|伝染性単核球症の若年世代での流行の背景
近年若い世代に伝染性単核球症が発生・拡大・流行しつつあります。医療関係者の間では懸念され、その予防が急務となっています。患者数が増加する背景として次のような理由が考えられています。
- 乳幼児期(5歳未満)にEBウィルスに感染しなかった人達が増加(食生活習慣の変化で市販離乳食の利用など)
- 伝染性単核球症に関する知識の欠如や関心の低下
|伝染性単核球症・予防のポイント
伝染性単核球症はキス・口移しなどの行為で唾液を介して簡単に感染します。周りの家族・仲間が感染しないよう、キスは(出来るだけ)頬にする程度に留めましょう。食事中に食物の口移しや飲物の回し飲み、箸・フォーク・ナプキン・ハンカチなどの共用などは極力避けましょう。
日常生活の中で、口腔ケア・手指衛生・消毒(除菌)も不可欠です。日常のうがい(洗口)・手洗い・消毒などの衛生慣行や衛生管理を励行して感染を未然に防止しましょう。衛生対策を徹底することで衛生意識のみならず伝染性単核球症に対する関心も高まります。感染予防に目を向け、必要な衛生対策を自主的かつ積極的に実践しましょう。
一般的に抵抗力・免疫力が低下すると伝染性単核球症に感染しやすくなります。栄養バランスがとれた食事や十分な睡眠と休養を摂りましょう。また普段からトレーニングを励行し体を鍛えておきましょう。EBウィルスを初めとする各種病原体に感染しても、負けない抵抗力(免疫力)を普段から身に付けておく必要があります。
伝染性単核球症は国内での発症頻度が未だ低く、発生事例報告も少ないです。このためメディアにもあまり取り上げられず知名度は低いです。発生状況・感染経路・症状など、伝染性単核球症に関する正しい知識を習得して予防・治療に役立てましょう。
|伝染性単核球症の感染症法・学校法での取り決め
伝染性単核球症に感染した際、ほとんどは自然治癒し重症化はしません。感染力自体は弱く、多くの人が無症状でウイルスを排泄しています。急性期の患者様には安静が必要ですが,発熱・咽頭炎・倦怠感が和らげば,速やかに活動を再開するべきです。このため解熱し症状が緩和したら職場・学校に行っても問題ありません。
|伝染性単核球症の予後
一般的に伝染性単核球症の予後は次の通りです。
- 1週間以内に学校または職場へ復帰(患者の20%)
- 2週間以内に学校または職場へ復帰(患者の50%)
- 倦怠感・疲労感 数週間持続(1〜2%の症例で数カ月間持続)
- 死亡例 (患者の1%未満)(脳炎・脾破裂・気道閉塞など合併症が原因)
|伝染性単核球症に感染した若年者への対応
幼少期(10歳まで)にEBウィルスに感染しなかった場合、ウイルスに対しての抗体が不十分です。このため未感染の10代の若世代が初めてEBウィルスに感染した場合は、重症化する可能性があり要注意です。伝染性単核球症と疑う症状が出現した場合医療機関をすぐに受診してください。医師の診察により早期発見と適切な治療を受け、重症化や感染の拡大を防いで下さい。
伝染性単核球症に気づいたらどうする
普通のかぜにしては変だと感じたら、必ず昼間の診察時間に病院を受診してください。子どもの病気は、どの病気であっても最初は小児科を受診するのがよいでしょう。感染力は弱く、多くの人が無症状でウイルスを排泄しているので、熱が下がり、子どもが元気であれば保育園や学校に行かせてもかまいません。明らかに自覚症状がある場合は、医療機関で早期診断を行うことをおすすめします。
伝染性単核球症の疫学
|年令別のEBウイルスの抗体保有率
年齢別のEBウイルスの抗体保有率は国により異なります。小児期に感染すると症状はほとんど出ないまま、抗体ができます。日本では2〜3歳までに70%位が感染を受け、20歳代で90%以上が抗体を保有しています。
日本人でのEBウイルスの抗体保有率
- 12 〜23カ月齢児(1〜2歳児) 54.5%〜55.8% (1997年Kusuhara らの報告)
- 20 歳 代 90%以上がウイルス抗体を保有(2〜3歳までの感染が70%)
サイトメガロウイルス(CMV)の妊娠可能年齢における抗体保有率は過去には90%以上でした。最近70%台に降下しているという報告もあります。類似したウイルスであるEBウイルスの今後のE抗体保有率についても注意深く観察する必要があります。
豆ちしき
EBウイルスは、同じヒトヘルペス科ウイルスの ヒトヘルペスウイルス6(HHV‐6) ・ ヒトヘルペスウイルス7(HHV‐7) より感染時期は遅いと考えれられています。
|伝染性単核球症の発症数
現在の日本において医療機関に、伝染性単核球症の患者の届け出の義務はありません。このため日本での正確な患者発生数は不明です。思春期以降に感染すると約50%が発病します。ただし、感染してもほとんどが数週間で自然に治ります。
|伝染性単核球症についての欧米と日本の違い
欧米では生活習慣の違いなどにより、乳幼児期の感染は20%前後なので若年青年層における抗体保有率も低く、伝染性単核球症の発症は日本より多いと考えられています。
- アメリカ 幼児期の感染率は20%と低い
- アメリカ 青年期で感染するケースが多い
- アメリカの発症率 50人/10万人あたり
- アメリカ大学生の発症率 50人/10万人あたり
- アメリカ大学生の感染率 12,000人/10万人あたり(不顕性感染を含む)
- 日本 2〜3歳までに70%が感染 ・ 20歳代で90%以上が抗体を保有
好発年齢である思春期以降はもちろん、乳幼児期のEBウイルスの初感染において注意深く観察すれば伝染性単核球症の症状を発見できます。症状発現した場合、伝染性単核球症を考慮しておくことが肝要です。
伝染性単核球症の発症機序はEBウイルスに対する細胞性免疫反応の過剰反応であると考えられています。成長に伴い思春期以降の方が乳幼児期よりも細胞性免疫がより発達します。これが発症頻度が高くなる原因と考えられています。
|伝染性単核球症の歴史
伝染性単核球症の歴史19世紀後半までさかのぼります。
1889年 Pfeiffer ら 伝染性単核球症を <腺熱> として初めて報告
1920年 Sprunt ・ Evans 伝染性単核球症という名称を初めて使用
1932年 Paul ・ Bunnell
異好抗体(heterophile antibody)を用いた血清学的な診断と伝染性単核球症の関連を報告
1937年 Davidsohn
更に簡単で迅速なDavidsohn 吸収試験を開発(特異性に欠けていた)
1964年 Epstein ・ Barr ら
アフリカのバーキット(Burkitt)リンパ腫患者から新しいヘルペスウイルスを発見
Epstein‐Barr virus (EBV)と命名した
1968年 Henle ら 伝染性単核球症とEBウイルスとの関係を初めて報告
伝染性単核症(infectious mononucleosis, 以下IM)は思春期から若年青年層に好発し、大部分がEpstein‐Barr ウイルス(EBV)の初感染によっておこる。主な感染経路はEBV を含む唾液を介した感染
乳幼児期に初感染をうけた場合は不顕性感染であることが多いが、思春期以降に感染した場合にIM を発症することが多く、kissing disease とも呼ばれている。EBV の既感染者の約15〜20%は唾液中にウイルスを排泄しており、感染源となりうる 1)。
EBウイルスは唾液に生息するため、唾液を介さない行為では感染しない。
感染する時期(年齢)によって症状の現れ方が異なり、乳幼児期では不顕性感染(病原菌に感染しても症状が現れない)が多く、思春期以降では感染者の約半数に本症がみられる。
EBウイルスは一度感染すると、その後は潜伏感染状態となり、終生にわたって共存する。そのため、急性感染症以外にもいろいろな病気を引き起こす。まれに輸血などにより血液を介して感染する場合もある。
伝染性単核球症は、初期症状が風邪やインフルエンザに似ているため、ちょっとした風邪や軽いインフルエンザと思い込んでしまう。発症後2〜3週間経っても高熱やリンパ節の痛みが続くため、慌てて病院等医療機関へ駆け込み、伝染性単核球症と診断され、治療を受ける患者(高校生、大学生が多い)が増えています。
伝染性単核球症は、キスをする程度の接触行為だけで感染し、発症すると発熱(38℃以上)や咽頭炎(喉の痛み)、頸部リンパ節の腫れなどの症状を引き起こします。さらに疲労感(疲れやだるさ)や鬱(うつ)症状を伴う場合もあるため、慢性疲労症候群と診断されることもあります。早期に適切な治療がされず、肝臓や脾臓、リンパ節が腫れ、重症化すると、急性肝炎や肺炎、悪性腫瘍(バーキット-リンパ腫や上咽頭ガンなど)などを引き起こし、生命を失うことも稀にあります。
EBウィルスは、ヘルペスウィルスの仲間に属し、世界中に広く存在しています。日本でも、3歳頃までに約8割の幼児が感染し、思春期までに9割以上の子供が感染しますが、殆どの場合、無症状あるいは軽い風邪や咽頭炎、扁桃炎になる程度の軽症状で治ります。また、思春期になるまで一度感染すると抗体が出来て生涯免疫を持つため、再感染しません。しかし、10代後半になって、このEBウィルスに初めて感染すると、その半数近くが伝染性単核球症になると言われています。
伝染性単核球症は、発症後38℃以上の発熱や喉の痛み、首の周りを中心にリンパ節が腫れるなどの症状が数週間続き、通常、治るまで数ヶ月かかります。しかし、早期の受診と適切な治療が行われないと(上記したように)症状が進行し、肝脾腫や肺炎などを併発するおそれがあります。感染防御する生体免疫系が侵され、多臓器不全や悪性腫瘍などを引き起こし、数年内に死亡することもあります。
感染者の約15〜20%は、無症状の状態でウイルスを持っています。
疲労,発熱,咽頭炎,およびリンパ節腫脹が特徴である。疲労は数週間から数カ月続くことがある。脾破裂および神経学的症候群を含む重度合併症がときに起きる。診断は臨床的であるか,または異種親和性抗体検査による。治療は支持的である。
EBVは5歳前の50%の小児が感染するヘルペスウイルスである。宿主は人である。
EBVは,環境起源から再生されることはなく,感染性はあまり強くない。伝播は血液製剤の輸血によって起こりうるが,無症候性にウイルスを排出しているEBV血清陽性者とのキスによって非感染者に感染する頻度の方がはるかに高い。わずか約5%の患者が,急性感染症の罹患者からEBVを得ている。幼児期での伝播は,下層の社会経済グループの人々の間,および密集した環境において,より頻繁に起こる。
1.伝染性単核球症ってどんな病気?
日本では2〜3歳までに70%が感染し、20歳代では90%以上が抗体を持っています。
小児期の感染では、症状がほとんど出ずに抗体ができますが、思春期以降の感染では、50%が発病します。
しかしほとんどが、感染後数週間で自然に治ります。
既に感染している人の約15〜20%は無症状でウイルスを持っており、そうした人から感染がひろがります。
一度感染すると再感染はしませんが、免疫力が低下するとまた発病することもあります。
伝染性単核球症<子どもの病気>の診断と治療の方法
自然に治る傾向の強い予後良好な疾患なので、一般的には対症療法で十分です。サイトメガロウイルスによる重症例には抗ウイルス薬を使用することもあります。アンピシリンはアレルギーを起こしやすいので使用されません。
小児や青年によく発症する、エプスタイン・バーウイルス(EBウイルス)による急性感染症です。EBウイルスの初感染時に起こります。
主要な感染経路は、キスなどによる感染者の唾液からと考えられています。
伝染性単核球症とはどんな病気か
発熱、咽頭・扁桃炎、頸部リンパ節や肝臓・脾臓がはれる病気で、異型リンパ球と呼ばれるリンパ球の増多と肝機能障害などがみられます。
IM とは別の病態である慢性活動性EBV 感染症の長期予後は依然不良である。
再感染はしませんが、ヘルペスと同じように免疫力が低下した場合、発病することもあります。
田島クリニック
TEL 045(264)8332
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