大腸がん Colon Cancer
|大腸がんとは?
|大腸の役割
大腸は長さ1.5〜2メートルほどの臓器です。太さは小腸の3倍程度あります。大腸の主な役割は、食べ物の栄養分の残りと水分を吸収し、そのほかの成分を肛門へと運ぶことです。大腸は消化吸収が行われた食べ物の最終処理をする消化管で、主に水分を吸収します。
|大腸の解剖
大腸の片方の端は小腸とつながり、もう片方の端は肛門へと続いています。小腸から肛門の順に
盲腸 ⇒ 上行結腸 ⇒ 横行結腸 ⇒ 下行結腸 ⇒ S状結腸 ⇒ 直腸
と構成されています。
大腸の壁は、層状の構造になっています。最も内側は滑らかな粘膜で消化物を接します。この粘膜からは生まれてくる悪性腫瘍が <大腸がん> です。
|大腸がんの疫学
日本で1年間に新たに大腸がんと診断された人数(罹患数)は、2011年では 男性は約7万人・女性は約5万人であり増加傾向にあります。臓器別にみると、大腸がんは男性では4番目・女性では2番目に多いがんです。
日本人のがん死亡率
男 性 肺 ⇒ 胃 ⇒ 大腸 ⇒ 肝臓 ⇒ 膵臓
女 性 大腸 ⇒ 肺 ⇒ 胃 ⇒ 膵臓 ⇒ 乳房
日本人のがん罹患率
男 性 胃 ⇒ 前立腺 ⇒ 肺 ⇒ 大腸 ⇒ 肝臓
女 性 乳房 ⇒ 大腸 ⇒ 胃 ⇒ 肺 ⇒ 子宮
最近では日本人はアメリカの日系移民および欧米白人とほぼ同じになっています。
- 大腸がん罹患率 50歳代から増加・高齢になるほど上昇
- 大腸がんの罹患率・死亡率 男:女=2:1
- 直腸がん 男女差が大きい・男性がかかりやすい
大腸がんの原因
大腸がんの発生原因はいまだ明確には解明されていませんが一般的には次のようなリスクファクターが考えられます。
高動物性脂肪・高タンパク・低繊維成分の食事と相関性があり生活様式が強く関係しています。具体的には過剰な飲酒・喫煙・加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)は、大腸がんリスクの可能性があるといわれています。生活習慣では、過体重と肥満で結腸がんリスクが高くなります。
一般的な大腸ポリープである腺腫から癌化するものと、直接粘膜から発がんするものが考えられています。
- 発癌刺激を受けて腺腫が癌化するパターン(adenoma-carcinoma sequence)
- 発癌刺激を受けた正常粘膜から直接に癌が発生するパターン(de novo経路)
多くの遺伝子の異常の蓄積により発癌することが解っています。
1.APC遺伝子の変異 ⇒ 腺腫の形成
2.K‐ras遺伝子の突然変異 ⇒ 腺腫が成長・細胞の悪性度(異形度)が増加
3.がん抑制遺伝子p53遺伝子とDCC遺伝子の変異 ⇒ 発癌へ進行
直系の親族に大腸がんの人がいるという家族歴がリスクファクターとなります。特に 家族性大腸腺腫症・遺伝性非ポリポーシス性大腸がん は遺伝的要因が明らかです。
大腸がんの分類
|大腸癌の形態分類
大腸癌は大腸のいちばん浅い(腸の内側に近い)粘膜層より出てきます。進展するにつれ、さまざまな形態をとります。形態は早期癌と進行癌で違っています。
- 早期大腸がん ⇒ 粘膜内に留まる
- 進行大腸がん ⇒ 粘膜下層より深部へ浸潤
|早期大腸がんの分類
早期癌は表在型をとり、その形により、隆起型(I) と 表面型(II) に分けられます。
隆起型(I)
粘膜から明らかに隆起しているタイプ。良性ポリープである腺腫から大腸癌ができる(adenoma-carcinoma sequence)と考えられています。
- 有茎性(Ip) ⇒ 明らかな茎をもつ形
- 亜有茎性(Isp) ⇒ 茎がはっきりしない形
- 無茎性(Is) ⇒ 茎がない形
表面型(II)
隆起が明確でなく平坦な形状を示すタイプ。粘膜下層へ潜りこみ進行が速いものが多く、正常粘膜から直接癌化した(de novo cancer)と考えられています。
- 表面隆起型(IIa) ⇒ 表面がわずかに盛り上がった形
- 表面平坦型(IIb) ⇒ 表面平坦平・表面の色調で腫瘍の存在を認識
- 表面陥凹型(IIc) ⇒ 表面がわずかに陥凹した形
|進行大腸がんの分類
進行大腸がんの形態による分類
- 1型 ⇒ 腫瘤型
- 2型 ⇒ 潰瘍限局型
- 3型 ⇒ 潰瘍浸潤型
- 4型 ⇒ びまん浸潤型
と、おおきく4つに分類されます。いずれの形にも分類しにくいときは5型(分類不能型)とされます。
|大腸がんの病期分類
TNM分類
大腸がんの進行度は
腫瘤の大きさ(T)・リンパ節転移の有無(N)・遠隔転移(M)
で0〜4期に分けられます。国際的に標準とされる分類方法です。
- 腫瘍の深達度 (T 原発腫瘍 primary Tumor)
- 周囲のリンパ節転移の程度 (N 所属リンパ節 regional lymph Nodes)
- 原発巣以外への転移・その他の臓器への遠隔転移の有無
(M 遠隔転移 Distant Metastasis)
大腸がんの病期(ステージ) TNM分類
- T(腫瘍の深達度)
Tis(粘膜内にとどまる)⇒T1(粘膜下層まで)⇒T2(固有筋層まで)
⇒T3(漿膜下層まで)⇒T4(周辺臓器への浸潤) - N(リンパ節転移)
N0(所属リンパ節に転移がない)⇒N1(3個までの転移)⇒N2(4個以上)
- M(遠隔転移)
M0(遠隔転移なし)⇒M1(遠隔転移なし)
Dukes分類
1932年来の古典的な分類ですが、その考え方は現在も基本です。
- Dukes A 筋層を超ええていないもの
- Dukes B リンパ節転移のなし・筋層を超えたもの
- Dukes C リンパ節に転移したもの
- Dukes D 遠隔(肝臓、肺など)へ転移したもの
|大腸がんの組織分類
組織的診断は腫瘍摘出後、標本を病理学的に判断した際の分類です。一般的に大腸がんの組織は3つに分類されます。
- 腺がん(adenocarcinoma)
- 扁平上皮がん(squamous cell carcinoma)
- 腺扁平上皮がん(adenosquamous cell carcinoma)
ほとんどの大腸がんは 腺がん(adenocarcinoma)で、これをさらに分化度で分類します。
- 高分化がん(well differenciated)
- 中分化がん(moderately differenciated)
- 低分化がん(poolyr differenciated)
- 粘液がん(mucinous carcinoma)
- 印環細胞癌(Signet cell carcinoma)
分化度とは?
分化度が高いがんは正常細胞に近く悪性度は低いと考えられます。分化度が低いがんは悪性度が高いがんです。
大腸がんの症状
|大腸がんの症状の現れ方
大腸がんでは一般的には次のような症状が現れます。
排便の変化
- 血 便 (腫瘍からの出血が便に混入)
- 下 血 (腫瘍からの出血が血塊として排出)
- 便が細小化 (腫瘍により大腸の内腔が狭小化)
- 下痢と便秘を繰り返す (腫瘍の存在で便の状態が不安定)
- 残便感 (腫瘍の存在で便秘の傾向となる)
腹部症状
- 腹部膨満感 (腹部が張っていると感じ)
- 腹 痛 (便の通過障害や腫瘍の存在により痛み発症)
- 腹部腫瘤を触知 (腫瘍が成長し皮膚から触れる)
その他の症状
- 貧血になる・血液検査で貧血を指摘される
(腫瘍からの持続的な出血で自覚せずに貧血となる)
- 嘔 吐 (便の通過障害)
- 体重減少・るい痩
(消化器系がんに共通の症状・食欲不振などで急激な体重減少・やせ)
がんによる腸閉塞症状から嘔吐などでがんが発見されたり、肝臓や肺へのの転移巣が先に発見されることもあります。この様なケースはかなりの進行例で手遅れになっていることが多いです。
|大腸がんの存在部位での症状のちがい
早期大腸がん
ほとんど自覚症状はなし。大腸がん検診の便潜血検査で発見されることが多い。
進行大腸がん
腫瘍の大きさや存在部位で症状が異なる腸管の管腔が広く消化物が液状で症状が発現しずらい。軽い腹痛や腹部の違和感などが症状です。腫瘍が成長後腹部の腫瘤として触れたり、血液検査で貧血の所見もしくは大腸がん検診で便潜血陽性で発見されることもあります。
比較的早期から血便症状(便に血が混入・血塊が出たりする症状)あり。管腔が狭く消化物も固形化しているため通過障害による腹痛・便細小化・残便感・便秘と下痢を繰り返すなどの症状が現れ、進行例では完全に管腔が閉塞し便もガスも出ず腸閉塞になります。
左側大腸がんと同様の症状あり。肛門に近いために痔の様な出血があり放置され手遅れになるケースもあります。直腸がんと近接している膀胱や子宮に浸潤すると排尿障害・血尿・腟から便が漏出する症状がみられることもあります。
一般的に出血源が肛門に近いほど真っ赤な鮮血となります。肛門から遠いほど暗褐色となります。その証拠に胃潰瘍・胃がんからの出血ではタール便と呼ばれる黒い便・黒い下血が認められます。問題なのは鮮血の場合、痔核なのか大腸がんなのか判別がつかないケースです。その際には、患者様に自覚の既往を確認し、直腸肛門を診察し、座薬による痔核の治療を行います。出血が軽減した後に便潜血検査を施行し、それでも陽性になるなら大腸がん・直腸がん・ポリープの可能性があります。その際には大腸ファーバーもしくは注腸検査(大腸のバリウム検査)を施行致します。一番問題なのは痔核の既往もなく下血したケースです。
大腸がんの検査と診断
大腸がんは、早期であればほぼ100%近く治すことができますが、一般的には早期では自覚症状はありません。無症状の時期にいかに発見することが重要となります。早期に発見できればがんを完全に取り除ける可能性が高くなります。進行大腸がんでも手術可能症例であれば根治可能の場合があります。遠隔転移が起きてから発見された場合は手術+放射線治療 +抗がん剤治療 が行われます。術後再発例でも 早期であれば切除し根治できる可能性があります。
|大腸がんの検査の流れ
大腸がんの典型症状、下痢・便秘・血便・便細小化などの症状有無を確認します。大腸がんの発症は遺伝にも関与します。血縁者に大腸がんの人がいないか家族歴を確認します。
大腸のがんの組織は弱いので便が通過する際の刺激でに容易に出血します。便に混じった僅かな血液を検査する方法が便潜血検査です。症状が出る前の早期発見が可能です。便の表面をこすり取って採取する棒状の部分と、便を保管する容器が一体化した検査キットを使用します。薬を飲んだり、食事を制限したりする必要はありません。採取した便は検査を行う医療施設へ提出し、数週間以内に結果を受け取ることができます。市区町村や職場が実施する便潜血検査の料金(自分が支払う費用)は通常1,000円以下です。ほかのがん検診と比べて安いうえに、40歳以上の人は毎年受けることで、大腸がんによって死亡する確率を約60〜80%減らせるという調査報告もあります。費用の面でも、効果の面でも優れているため、大腸がん検診を受けることが勧められています。
便潜血検査 100%の保証はありません!!
便潜血検査は現在一番行われている簡便かつ有用な検査ですが検診の結果が100%正しいとは言い切れません。健康な集団の中から、大腸がんの精密検査が必要な人を選び出すためには、最も有効で負担の少ない検査法です。
- 偽陽性 ポリープ・・良性腫瘍・痔核など
- 偽陰性 小さいがん・ポリープ内のがん・盲腸がんなど
最も症状が出ずらい盲腸がん
小腸・大腸の接合部と虫垂に囲まれた部位を盲腸と呼びます。文字通り盲端になっているためこの部位に腫瘍が発生すると症状が発現しずらく、便潜血・血液検査にも反映されにくいです。このため手遅れになった状態で発見されるケースも少なくありません。
人差し指を肛門から直腸内に挿し込み直接触り腫瘤や異常の有無を指の感触で調べます。直腸がん・直腸腫瘍・痔核の診断は指の届く範囲で可能ですが、その上部の大腸の検索はできません。
事前に検査食を食べ下剤で腸内を空にします。人差し指程の管を肛門に挿入しバリウムと空気を注入しX線写真を撮ります。がんの正確な位置・大きさ・腸の狭さの程度などがわかります。レントゲン写真では、がんの位置や大きさ、大腸の状態などを確かめることができます。逆に大腸ファーバーでがんが発見されたケースでは手術のために施行します。検査にかかる時間は15分程度です。
腸管を空にした後、はじめに内視鏡を肛門から一番奥の盲腸まで挿入して、スコープを抜きながら大腸全体を詳細に調べます。検査を受けている患者さんは、モニター画面を直接見ながら、医師の説明を聞くことができます。腫瘍やポリープなどの病変が認められた場合一部組織を採取したり、適応があれば内視鏡的に切除(内視鏡的ポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術(EMR))することも可能です。必要に応じて鎮静・鎮痛剤を使用することもあります。検査にかかる時間は20−30分程度です。
体内に存在するがんが分泌する特殊な物質のことです。がんの種類に応じて多くの種類があります。血液検査として測定され、転移 ・再発 の評価指標として、また、治療の効果判定などのためにも用いられています。早期大腸がんではほとんど上昇せず、進行大腸がんでも異常値が認められない場合もあります。
大腸がんの腫瘍マーカー CEA ・ CA19-9 ・ p53抗体 など
腹部にエコー探子を当て超音波で内部を観察する検査です。大腸がんの位置・大きさを確認します。また肝臓やリンパ節への転移・癌性腹水の有無も確認できます。
CT検査はX線を使って体を輪切りにした状態を画像化して体の内部を描出します。治療前に 腫瘍の大きさ・肝臓やリンパ節への転移・周辺の臓器へのがんの浸潤を調べます。画像にコントラストを付けるために造影剤を注入するケースもあります。
体を磁場内に置き、組織が磁気に反応する度合をコントラストとして描出する検査です。体を輪切りにした状態の画像にして、がんの位置・形・大きさ・肝臓やリンパ節などへの転移を確認する検査です。磁石の力を利用した検査で、特に痛みはありませんが閉鎖空間内で機械の騒音を嫌がる患者様もいます。検査時間は30−60分程度です。
がん細胞は正常細胞に比べ発育が顕著なため多くのブドウ糖を摂取・消費します。がん細胞は正常な細胞と比べて、3〜8倍のブドウ糖を取り込むという性質があります。放射性ブドウ糖液を注射し全身にいきわたるまで約1時間待った後、30−60分で撮影します。その取り込み分布を撮影し全身のがん細胞を検出し、がんの活動性がどの程度なのかを調べられます。超音波検査・CT検査・MRI検査・病理検査で診断が難しい場合や、腫瘍マーカーなどの異常から転移や再発が疑われる場合などにも適応があります。
健康診断で行われる胸部のレントゲン検査と同じ検査です。大腸がんの肺転移を確かめることができます。
その他の検査
腹部のX線検査
腸管内のガスの分布・全体像を調べます。腫瘍が腸を閉塞しかけている場合、その口側にガスが貯留します。ある程度発育した進行大腸がんだと画像で判別できる可能性があります。
血液検査
大腸がんが発育・進行する途中、その表面からごく僅かに持続的に出血し無症状のまま貧血になるケースがあります。その際には血液検査でヘモグロビンが正常値を下回ります。また倦怠感や眼球が白い時も採血で確かめる必要があります。
大腸がんの治療
大腸がんは早期発見で根治可能な病気です。早期大腸がんの5年生存率は80%以上と良好です。進行がんではがんの浸潤度とリンパ節転移により治療法・予後が変わってきます。大腸がんは肝臓にいちばん転移しやすいのですが、肝臓転移が見つかっても、肝臓を手術したり抗がん薬を注入したりして長期に生存することも可能です。
|大腸がんの病期(ステージ)
がんの進行度は病期(ステージ)で分類します。治療法は病期で決定されます。病期を決定するポイントとなるのは次の3つです。
- 深達度 ⇒ がんがどのくらい大腸の壁に入り込んでいるか(Tumor)
- リンパ節転移 ⇒ 周囲のリンパ節への転移(Lympho Node)
- 遠隔転移 ⇒ がんから離れた臓器への転移の有無(Metastasis)
大腸がんは進行度によりTNM分類として 0期・I期・II期・III期・IV期 の5段階に分類されます。国際的に標準とされる分類方法です。
|大腸がんの治療法
大腸がんの治療の原則は、がんを切除することです。大腸へがんの浸潤度により治療方針が異なります。
<内腔>
粘膜固有層
粘膜筋板 ⇒ 早期大腸がん 内視鏡施術
粘膜下層
固有筋層 ⇒ 進行大腸がん 手術(+抗がん剤治療+放射線)
漿 膜
早期大腸がんの治療 内視鏡手術
内視鏡(大腸ファーバー)でがんを切除する方法です。大腸内部を直接観察し切除した病変を詳しく診断できるため、診断と治療の2つの目的のために行われます。治療の適応は、早期の大腸がんで深達度が粘膜内に留まり、リンパ節転移 の可能性がないという症例です。粘膜下層浅い部分までなら転移の可能性は低く内視鏡手術が可能です。
病変の大きさ・肉眼型・存在部位・予測される深達度 などによって最終的に治療法が決定されます。切除の方法には一般的に3つあります。
- 内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー) ポリープ自体を切除
- 内視鏡的粘膜切除術(EMR)
粘膜下に液体を注入・膨らました部分を腫瘍と一塊に切除
- 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
粘膜下層に液体を注入・膨らました部分を腫瘍と一塊に切除
術後に大腸がんが確実に切除されたかどうかは病理検査・病理診断で確認し、切除が不十分の場合手術が追加で必要なケースもあります。
進行大腸がんの治療
進行大腸がんの治療には 手術療法・化学療法(抗がん剤治療)・放射線治療・免疫療法 があります。
筋層以下まで浸潤しリンパ節転移の可能性があるものが進行大腸がんです。内視鏡治療の適応外の進行大腸がんでは外科手術が必要です。早期のがんでも手術が必要な場合があります。開腹術により腫瘍を含めた大腸の一部を切除してリンパ節の郭清を行い残った腸同士を吻合します。がんが周囲の臓器に浸潤している場合は、周囲臓器も合併切除します。
体に優しい腹腔鏡手術
腹部に数か所小さな穴を開け、長い筒形小型カメラと切除器具のついた腹腔鏡を入れ、腹腔内をモニターで観察しながらがんを摘出する方法もあります。早期がんのみならず進行がんにも施行されています。開腹術に比べ体に優しく術後の回復も、退院も早くなります。しかし適応症例が限られます。
直腸がんの治療
直腸は骨盤内の深く狭い所に存在します。大腸と異なった位置関係にあるので、治療法は直腸がん専用の方法となります。直腸周囲には神経・筋肉があり腫瘍と共に神経・筋肉を切除します。その結果排便・排尿・性機能に障害が起きることがあります。進行度により神経・筋肉を温存する方法(自律神経温存術・肛門括約筋温存術)が可能なケースもあります。
早期直腸がん 経肛門的手術(肛門を広げ直腸にアプローチし腫瘍を直接切除)
進行直腸がん 肛門から離れている場合⇒低位前方切除術(肛門・性・排尿機能温存)
肛門から近い場合 ⇒ マイルス法(人工肛門設置)
人工肛門もさまざまな装具が開発されており、普通に社会生活が送れるようになっています。
術後の合併症 手術により発生する新たな症状
- 軟便や下痢 水分吸収する大腸が短くなるため
- 便秘・腹部膨満感・腸閉塞 吻合部の狭小化・術後の癒着により腸管の動きが制限
- 縫合不全 腸管の縫合が不完全・消化液が腹腔に漏れ腹膜炎となる
- 創部感染 手術創が感染し皮膚が生着しない・膿が溜まる
(糖尿病・低たんぱくの時に起こりやすい)
厄介な術後癒着性腸閉塞
どんな腕の良い外科医が手術し、患者様がどんな若い方でも一度開腹すると必ず手術部位に癒着が生じます。蚕の出す糸の様な膜が腸管を巻き込むイメージです。ストレス・過食・運動不足などが原因で腸管の動きが低下した際に起こり、患者様によっては定期的に腸閉塞になることもあります。また若い時には起こらかったが加齢と共に腸閉塞になるケースもあります。この様なケースでは入院し絶食、点滴治療を行い腸管の正常な運動を促します。最も怖いのは、癒着の構造の中に立体的なスペースが出来上がり、そこに小腸が入り込み(嵌頓)抜けなくなるケースです。この場合は緊急手術になります。
化学療法の目的
- 手術後のがん再発を予防するための補助治療
- 根治手術が困難な進行がん・再発がんに対して延命および生活の質(QOL)の向上
症例に準じて数種類の抗がん剤を使用します。副作用対策が進歩したので外来通院で日常生活を送りながら抗がん剤による治療を受ける患者さんも多くなりました。
1.術後補助化学療法(Postoperative Adjuvant Chemotherapy)
術後に抗がん剤治療を行い再発を予防する、再発までの期間を延長するのが目的です。
<術後補助化学療法の対象と方法>
- ステージI・ステージII期 (リンパ節転移なし ⇒ 手術+経過検察
- ステージII期 (再発の可能性があり) ⇒ 術後補助化学療法
- ステージIII期 (リンパ節転移があり) ⇒ 術後補助化学療法
手術後に5-FU/ロイコボリン療法の6ヵ月投与などが標準的
2.化学療法
根治術が不可能な症例や再発症例に対し生存期間を延長させるために抗がん剤治療を行います。大腸がんの化学療法は嘔気など副作用をコントロールしながら外来でも可能です。
3.分子標的治療
近年がん細胞の遺伝子(DNA)のどこに異常があるのか解明されてきました。それぞれのがんに特有な遺伝子変異が存在することがわかってきています。この変異した遺伝子を標的にした治療が <分子標的治療> です。遺伝子変異をターゲットとした治療をが可能になり、各々の患者様に合ったカスタマイズされた <個別化治療> が主流となっています。日本では2007年以降に承認された新しい薬で、体内の特定の分子だけを狙い撃ちにしてその働きを抑える働きを持つため、<分子標的薬> と呼ばれています。肺がんにも分子標的治療は行われ、注目を浴びています。
転移と再発
転移とは、がん細胞がリンパ液・血液で運ばれて別の臓器に移動しそこで増殖した状態です。手術時には発見されず時間が経過してから転移として見つかることがあります。大腸がんでは、肝臓・肺・脳・リンパ節 へ転移しやすいです。肝臓への転移に対する抗がん剤治療や手術、手術後の抗がん剤治療が行われることがあります。
再発とは、治療後に再びがんが出現した状態です。大腸がんでは再発症例の80%が術後3年以内です。術後のフォローが重要です。
局所再発 手術部位周囲で再発が認められる場合(吻合部再発・リンパ節転移)
遠隔転移 肝臓肺・脳・骨などへ転移した状態で再発
再発症例では再手術が困難で抗がん剤や放射線による治療が行われるます。それぞれの患者さんの状況に応じて治療方法も総合的に判断する必要があります。
高エネルギーX線を体外から照射しがんを縮小します。手術前後の補助治療として施行されています。特に切除が困難な骨盤内のS状結腸癌・直腸がん・再発症例・遠隔転移症例に対し施行されます。
- 骨盤内からの再発の抑制
- 手術前のがんのサイズの縮小
- 肛門を温存する
- 痛みや出血などの症状緩和
- 骨転移による痛み
- 脳転移による神経症状の改善
田島クリニック
TEL 045(264)8332
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- 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
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- 不整脈
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- 逆流性食道炎
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- 胃炎とヘリコバクターピロリ
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- 機能性ディスペプシア
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- がん・悪性腫瘍
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- 肺がん
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- 胃がん
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- 乳がん
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- 前立腺がん
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- 気管支喘息
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- アレルギー
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- 花粉症
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- 甲状腺疾患・ホルモンの病気
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- 貧血
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- 小児感染症
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- 突発性発疹
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- 麻疹(はしか)
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- 風疹(ふうしん)
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- 水痘(みずぼうそう)
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- おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
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- 溶連菌感染症
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- ヘルパンギーナ
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- 手足口病
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- 伝染性単核球症
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- 伝染性紅斑
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- RSウイルス感染症
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- インフルエンザ
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- 小児呼吸器疾患
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- 小児消化器疾患
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- 小児皮膚疾患
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- みずいぼ
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- 小児整形外科疾患
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- アトピー性皮膚炎
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- じんま疹 Uriticaria
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- 痒疹
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- 足白癬(水虫)
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- 爪白癬
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- 尋常性疣贅
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