風疹(Rubella)とは?
風疹(Rubella)とは、ウイルス感染症の一種で、風疹ウイルスによる急性熱性ウイルス性発疹性疾患です。発熱・発疹・リンパ節腫脹 を特徴とします。症状は不顕性感染から、重篤な合併症併発まで幅広く、臨床症状のみで風疹と診断することは困難です。春先から初夏にかけて流行する傾向があります。
一般に日本では三日はしかとしても知られ、英語では <German measles(ドイツはしか)> とも呼ばれています。日本では <風疹> として感染症法に基づく五類感染症に指定され届出の対象となっております。
風疹の原因
| 風疹の感染経路
風疹の発症は風疹ウイルスへの感染が原因です。ウイルスは感染者の咽頭など上気道粘膜から排出される体液(くしゃみ・唾液)に含まれており次のような感染経路があります。
- 飛沫感染 患者の咳やくしゃみなど飛び散る飛沫に含まれるウイルスを吸い込む
- 接触感染 ウイルスが付着した手で口や鼻に触れる
伝染期間(周囲へ感染させる期間)は発疹の出現する前後の1週間程度といわれています。風疹の患者様は発疹が出現する前後1週間ほど風疹ウイルスを出しているということです。
風疹の感染力
風疹の免疫がない人の中に患者が1人いた場合、何人の人にうつすかを示す指標では、インフルエンザは1〜3人であるのに対し、風疹は5〜7人と言われています。風疹ウイルスの伝染力は麻疹・水痘よりは弱いですが感染しても発症しないことがある(不顕性感染)ことから、知らないうちに他の人にうつしてしまいます。
重篤な合併症 先天性風疹症候群
妊娠初期に風しんにかかると、母親から胎児へ胎盤を介して感染し、先天性風しん症候群を起こすことがあります
| 風疹の病原体
風疹の病源体は、風疹ウイルス(rubella virus)です。次のような特徴があります。
- トガウイルス科ルビウイルス属(Togavirus科Rubivirus属)
- 直径50〜70nmの(+)鎖の一本鎖RNAウイルス
- エンベロープを有する
- 正十二面体のカプシド構造
- 血清学的には亜型のない単一のウイルス
- E1蛋白質の遺伝子解析によって13の遺伝子型に分類
風疹ウイルスのサブタイプ
2004年の流行では1jが主流であったが、2012年以降、国内では検出されていません。2011年以降、南・東・東南アジアで流行中の2Bと1Eが国内に侵入し、これらが定着し拡大しています。上気道粘膜より排泄されるウイルスが飛沫を介して伝播されるが、風疹の基本再生算数(R0)は5〜7であるのに対して、麻疹(12〜18)・流行性耳下腺炎(4〜7)・百日咳(12〜17)とされています。
風疹の症状
風疹ウイルスに感染から14〜21日(2〜3週間・平均16〜18日)の潜伏期間の後、発熱・発疹・リンパ節腫脹(風疹の3徴候)が典型的には出現します。
初期症状(発疹の1 - 5日前)は微熱、頭痛、倦怠感、鼻水、せき、痛みのないバラ色の口蓋斑点(典型的な3症状である紅色斑丘疹、発熱、頸部リンパ節腫脹
小児発症者の約25 - 50%に、38 - 39℃前後の発熱が3日間程度続く。成人発症者では、5日間程度の発熱。
風疹患者の約半数に見られます。麻疹のように高熱が続くことは少なく、微熱程度で終わることも多くあります。カタル症状を伴いますが、麻疹に比して軽症です。感染しても症状が出ない場合もあります。
小児では咽頭炎のみがみられたり、無症候性感染であることも多い。
感染しても症状を現さない人が約15%存在し、
発熱とともに全身に淡い発疹が現れます。多くの場合、発疹は紅く、小さく、皮膚面よりやや隆起しています。
一般的に、耳介後部周辺・顔面より始まり徐々に全身に広がります。通常3日程度で消失し、麻疹(はしか)のように発疹の跡が長く残ることはありません。一般に <三日ばしか> とも呼ばれています。色素沈着や落屑は通常は見られないが、発疹が強度の場合にはこれらを伴うこともあります。
顔、耳後部から、赤く癒合性のない点状の紅斑(発疹)が全身に広がり、多くは3 - 5日程度で消える(20 - 25%は発疹が出現しない)
耳介後部・後頭部・頚部のリンパ節は発疹の出現する数日前より腫れはじめ、3〜6週間位持続します。
成人発症者では、90%以上にリンパ節腫脹
耳介後部、後頭部、頚部のリンパ節の腫れ。発疹出現5 - 10日前から数週間にわたりみられる。
上記の3徴候のいずれかを欠くケースも多くあり、確定的な臨床診断は困難です。確定診断のために採血による抗体測定など検査室診断を要するケースも多くあります。
鑑別を要する疾患
溶血性レンサ球菌による発疹
典型的ではない場合の伝染性紅斑
風疹の合併症
風疹は基本的には予後良好な疾患であり、通常は数日で治る病気です。稀に次のような合併症があります。
血小板減少性紫斑病(1/3,000〜5,000人)
急性脳炎(1/4,000〜6,000人)
一過性関節炎・手指のこわばり・痛み(成人患者の5〜30%)
眼球結膜の軽度充血
肝機能障害
妊婦の妊娠初期の感染は胎児に先天性風疹症候群を引き起こす。
といった合併症を併発することがありますが、これらの予後もほとんど良好である。
伝染力は水痘(水疱瘡・みずぼうそう)・麻疹(はしか)より弱く、小学生の感染者が多いです。
ウイルスの排泄期間は発疹出現の前後約1週間とされているが、解熱すると排泄されるウイルス量は激減し、急速に感染力は消失する。
一度感染し治癒すると、大部分の人は終生免疫を獲得します。多くの人は生涯かかることはありません。
感染しても明らかな症状が出ることなく免疫ができてしまう人もいます。風疹にかかったことがあるかどうかは、血液検査で調べられます。
成人の臨床症状は、麻疹に似る。無症候例は、30 - 50%とされている。また、小児より重症化しやすいとの報告がある。
症状と特徴
38℃くらいの発熱、目の充血、のどのはれと痛みといったかぜに似た症状とともに、小さな赤い発疹が、顔、体、手足など全身にでます。この発疹にかゆみはほとんどなく、はしかのように発疹が大きくなることもありません。また、耳のうしろのリンパ節がはれて痛む点も特徴です。 これらの症状は、3〜4日でおさまります。「3日はしか」と呼ばれることも。
風疹の症状は、子どものうちは比較的軽いものですが、稀なケースとして脳炎や血小板減少紫斑症など合併症が発生することがあります。また、子どもの感染症と思われがちですが、大人が感染すると、発熱や発疹期間が長く(一週間かそれ以上)、また関節痛がひどいなど、子どもと比較し症状が重くなることが多いと言われています。
臨床症状
感染から14?21日(平均16?18 日)の潜伏期間の後、発熱、発疹、リンパ節腫脹(ことに耳介後部、後頭部、頚部)が出現するが、発熱は風疹患者の約半数にみられる程度である。また不顕性感染が15(〜30)%程度存在する。3徴候のいずれかを欠くものについての臨床診断は困難であることに加え、溶血性連鎖球菌による発疹、伝染性紅斑、修飾麻疹、エンテロウイルス感染症、伝染性単核球症など似た症状を示す発熱発疹性疾患や薬疹との鑑別が必要になり、確定診断のためには検査室診断を要する。
多くの場合、発疹は淡紅色で、小さく、皮膚面よりやや隆起しており、全身に広がるにはさらに数日間を要することがある。通常色素沈着や落屑はみられないが、発疹が強度の場合にはこれらを伴うこともある。リンパ節は発疹の出現する数日前より腫れはじめ、3?6週間位持続する(写真2)。カタル症状、眼球結膜の充血を伴うが、これも麻疹に比して軽症である。ウイルスの排泄期間は発疹出現の前後約1週間とされているが、解熱すると排泄されるウイルス量は激減し、急速に感染力は消失する。
基本的には予後良好な疾患であるが、高熱が持続したり、血小板減少性紫斑病(1/3,000?5,000人)、急性脳炎(1/4,000?6,000人)などの合併症により、入院が必要になることがある。成人では、手指のこわばりや痛みを訴えることも多く、関節炎を伴うこともある(5?30%)が、そのほとんどは一過性である。
風疹とはどのような病気で、何がこわいのでしょうか。
主な症状は、発熱と、その翌日くらいに小さくて細かい赤い発しんが顔から出始め、全身に一気に広がります。また、耳の後ろや後頭部のリンパ節が腫れて、痛むこともあります。また目が充血したり関節痛を訴える人も多いということです。大人の患者の3割に、39度以上の高熱が出たという報告があります。一方で、15%から30%の人は、感染しても症状が出ないといわれています。知らない間に感染し、周りにいる妊婦にうつしてしまうこともあるのです。
通常は軽症ですが、まれに血小板減少性紫斑病(しはんびょう)や脳炎を合併することがあります。
発疹が現れる前後約1週間の患者さんの飛沫(ひまつ)を介して感染しますが、伝染力は、より弱いといわれています。
また関節炎、血小板減少性紫斑病(1/3,000 - 5,000人)を合併する可能性があるほか、急性脳炎を起こす(1/4,000 - 6,000人)ことがあり、極めてまれに重篤な状態に陥る。
先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome CRS)
|先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome CRS)とは?
風疹に伴う最大の問題は、妊娠前半期の妊婦の初感染により風疹ウイルスに胎児にも感染し、先天異常を含む様々な症状を呈する先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome CRS)が高率に出現することです。
妊娠初期(妊娠20週頃まで)に風疹に対する免疫が不十分な妊婦の方が、風疹ウイルスに初感染すると90%の胎児に様々な影響を及ぼします。これにより胎児に起こる病態を 先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome CRS) と呼びます。妊娠中の感染時期により重症度、症状の種類が様々です。
先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome CRS)の危険性
先天性風疹症候群は1941年にグレッグによって新生児に白内障や心奇形が発生したと初めて報告されました。成人でも30 - 50%程度の無症状感染者(感染しているが症状がない状態)がいるので、母親が無症状であっても先天性風疹症候群は発生する可能性があります。また出生前に感染した乳児は、出生後数ヶ月感染力を持ち続けるとされています。
|先天性風疹症候群の原因
先天性風疹症候群は風疹ウイルスによる急性感染症です。その病原体は、もちろん風疹ウイルス(トガウイルス科)です。ウイルス株(ウイルスサブタイプ)による病原性の差は認められていません。胎児発生段階(胎生期)の初期(特に3 カ月以内)に胎児内に、ある量以上のウイルス増殖があれば 先天性風疹症候群を引き起すと考えられています。
|先天性風疹症候群の症状
先天性風疹症候群の典型的な 三大症状 先天性心疾患(心奇形)・難聴・白内障 です。
- 先天性心疾患・白内障 妊娠初期3 カ月以内の感染
- 難 聴(聴力障害) 妊娠初期3 カ月 + 次の3 カ月の感染でも出現(高度難聴であることが多い)
豆ちしき
胎児が先天性風疹症候群となる確率は妊娠初期に感染するほど高いとされています。
- 妊娠1か月では50%以上
- 2か月で35%
- 3か月で18%(11-16週までの感染では10-20%)
- 4か月で8%
- 妊娠20週以降の感染で発生率は低い
- 妊娠21週以降の感染であればCRSのリスクは低く通常は妊娠が継続
妊娠していることに本人や周囲が気づかず、風疹に無警戒な時期に感染してしまう可能性があります
1.先天性症状
妊娠中の感染時期により重症度・症状の発現時期が様々です。
- 胎内死亡
- 流産
- 心奇形(動脈管開存症・肺動脈弁狭窄症・心房中隔欠損症が多い)
- 眼異常
- 白内障
- 緑内障
- 網膜症(色素性網膜症・脈絡網膜炎)
- 小眼球症
- 聴力障害(感音性難聴)
- 脳性麻痺
- 髄膜脳炎
- 低出生体重児
- インスリン依存性糖尿病
2.新生児期に出現する症状
- 低出生体重
- 血小板減少性紫斑病
- 溶血性貧血
- 間質性肺炎
- 髄膜脳炎
- 黄疸
3.幼児期以後の症状
- 進行性風疹全脳炎
- 糖尿病
- 精神運動発達遅滞
妊娠3〜5カ月に感染した場合の症状
- 難聴(聴力障害) (最多)
- 子宮内発育遅延
- 網膜症
- 小頭症(頭自体が小さい)
- 精神運動発達遅滞
- 肝脾腫(肝臓・脾臓が腫れる)
- 血小板減少性紫斑病
|先天性風疹症候群の検査と診断
先天性風疹症候群の検査と診断は次のような方法があります。
- 新生児の血液検査 新生児血清IgM特異抗体検出(確定診断可能)
- 胎 児 診 断 エコー(超音波)ガイドで穿刺液採取 PCR法で遺伝子解析
豆ちしき
先天性風疹症候群を容易に再現できる動物モデルが存在しないため発症機序はいまだ解明されていません
|先天性風疹症候群の治療
先天性風疹症候群に対して、現在のところ効果的な治療法はありません。症状に応じた対症療法を行うことになります。
院長のひとりごと
つまり妊娠前の女性の感染予防がいかに大事かが分かりますね!
|先天性風疹症候群の予防
近年国内においてもその発生は減少傾向にあるが、まれに見られる先天性風疹症候群予防のために、妊娠可能年齢およびそれ以前の女性に対するワクチン対策が重要な疾患である。
風疹ワクチンによる予防が最も重要かつ有効です。まず風疹の流行を抑制し、妊娠前の女性は感染予防に必要な免疫を妊娠前に獲得しておくことが必要です。風疹のサーベイランスやワクチン接種は、先天性風疹症候群の予防を第一の目的に考えています。感染した妊婦さんの多くは、身近にかかった人がいませんでした。症状が出ないケースもありますので生まれてくる赤ちゃんを守るためには、多くの人が風疹にかからないよう予防することが重要です。
平成24年から25年にかけての風疹の流行によって、先天性風疹症候群と診断される赤ちゃんが相次ぎ、26年は10ヶ月で45人報告されています。この中には妊娠中、母親に風疹の症状が出ず、感染したことに気づかなかったケースが3割ほどあります。生まれてすぐには障害が分からず、しばらく経ってから症状が出たり、症状に気づくケースもあります。障害に気づくのが遅れると発達の遅れにつながることから、早期に診断し、療育や支援につなげる取り組みが重要になっています。
病原診断
病原体である風疹ウイルスの検出には、ウイルス分離よりもウイルス遺伝子の検出の方が感度も良く、また、時間的にもはるかに短期間でできる。それは、ウイルス遺伝子RNA を逆転写PCR で増幅して検出する方法である。
CRS患児からは、出生後6 カ月位までは高頻度にウイルス遺伝子が検出できる。検体として検出率の高い順から述べると、白内障手術により摘出された水晶体、脳脊髄液、咽頭拭い液、末梢血、尿などである。
CRS の診断としては、症状、ウイルス遺伝子の検出以外に、臍帯血や患児血からの風疹IgM 抗体の検出が確定診断として用いられる。IgM 抗体は胎盤通過をしないので、胎児が感染の結果産生したものであり、発症の有無にかかわらず胎内感染の証拠となる。
胎児が感染したか否かは、胎盤絨毛、臍帯血や羊水などの胎児由来組織中に風疹ウイルス遺伝子を検出することで診断できる。母親が発疹を生じても胎児まで感染が及ぶのは約1/3であり、またその感染胎児の約1/3 がCRS となる。
図4. 風疹ウイルス遺伝子の検出 図5. 出生前診断依頼症例における胎児由来組織からの風疹ウイルスの遺伝子検出率とCRS 発生率(加藤茂孝)
治療・予防
CRS それ自体の治療法はない。心疾患は軽度であれば自然治癒することもあるが、手術が可能になった時点で手術する。白内障についても 手術可能になった時点で、濁り部分を摘出して視力を回復する。摘出後、人工水晶体を使用することもある。いずれにしても、遠近調節に困難が伴う。難聴につ いては人工内耳が開発され、乳幼児にも応用されつつあるが、今までは聴覚障害児教育が行われてきた。
予防で重要なことは、十分高い抗体価を保有 することであり、接種歴の文書による証明の無いなど、風疹に対して感受性を有する者は風疹を含むワクチンで免疫を付ける必要がある。
妊娠可能年齢の女性で風疹抗体がない場合には、積極的にワクチンで免疫を獲得しておくことが望まれる。妊娠中のワクチン接種は避ける。しかし、たとえワ クチン接種後妊娠が判明したとしても、過去に蓄積されたデータによれば障害児の出生は1 例もないので、妊娠を中断する理由にはならない。極めてまれではあるが、低い抗体価を保有していながら、再感染によってCRS を発生した例がある。
|先天性風疹症候群の疫学
風疹の流行年とCRSの発生の多い年度は完全に一致している。また、この流行年に一致して、かつては風疹感染を危惧した人工流産例も多く見られた(図1)。 風疹は主に春に流行し、従って妊娠中に感染した胎児のほとんどは秋から冬に出生している。流行期における年毎の10 万出生当たりのCRSの発生頻度は、米国で0.9 ?1.6 、英国で6.4 ?14.4 、日本で1.8 ?7.7 であり、国による差は殆ど見られない。母親が顕性感染した妊娠月別のCRS の発生頻度は、妊娠1 カ月で50%以上、2カ月で35%、3カ月で18%、4カ月で8%程度である。成人でも15%程度不顕性感染があるので、母親が無症状であってもCRS は発生し得る。
|先天性風疹症候群に関する Q&A
風疹に対する免疫が不十分な妊娠初期の女性が風疹ウイルスに感染すると、胎児も風疹ウイルスに感染し、難聴・心疾患・白内障・精神や身体の発達の遅れ等の症状をもった赤ちゃんがうまれる可能性があります。赤ちゃんのこれらの病気を先天性風疹症候群といいます。ただし、これらのすべての症状をもつとは限らず、気がつくまでに時間がかかることがあります。
先天性風疹症候群を発症する可能性は、妊婦が風疹に罹患した時期により違いがあります。胎児に異常が認められる頻度は、妊娠週数に相関しています。また、症状も妊娠 2 か月頃までは眼、心臓、耳のすべてに症状を持つことが多いですが、それを過ぎると難聴と網膜症のみを持つことが多くなります。妊娠 20 週以降では異常なしのことが多いと報告されています。
先天性風疹症候群の予防のためには、妊娠を予定又は希望する女性は、妊娠前に予防接種を受けることが最も重要です。また、妊婦への感染の可能性を減らすため、妊婦の周囲の方をはじめ、男性を含めたより多くの方が予防接種を受けておくことが望ましいです。(ただし妊娠中の女性は風疹の予防接種を受けることはできません)
感染症法上の 5 類感染症の一つである先天性風疹症候群の届出のためには、病原体診断や抗体検査により出生後に風疹ウイルスに感染した可能性を除外し、お母さんの胎内で風疹ウイルスに感染したことが証明されなければなりません。厚生労働省の定める先天性風疹症候群の届出基準を参照してください。
先天性風疹症候群の可能性がある場合には、出生後すぐ、あるいは、発育の過程で先天性風疹症候群を疑った時点で、できるだけ速やかに検査することが重要です。風疹ウイルスの感染を証明するには以下の方法があり、届出には以下のいずれか 1 つ以上を満たすことが必要です。
(1)風疹ウイルスを直接検出する
先天性風疹症候群の赤ちゃんの咽頭ぬぐい液・唾液・尿から風疹ウイルスを直接分離する方法です。ただし、どこでも実施可能な検査法ではありません。保健所を通して地方衛生研究所や国立感染症研究所で主に行われている検査方法です。先天性風疹症候群の赤ちゃんからは長期間ウイルスが検出されていますが個人差があります。検査は先天性風疹症候群を疑ったらなるべく早い方がよいでしょう。
(2)風疹ウイルスの遺伝子を検出する
PCR 法という方法で風疹ウイルスそのものではなく、ウイルスの遺伝子を検出します。感度が高い方法のため、微量のウイルス遺伝子を検出することができます。咽頭ぬぐい液・唾液・尿から検出するのが一般的ですが、中には白内障の眼の水晶体から検出されることもあります。この方法も、どこでも実施可能な検査ではありません。感染症の研究機関や一部の医療機関などで行われている検査方法です。
(3)風疹ウイルスに対する抗体を検査する
この方法は健康保険適用がありますので、どこの医療機関でも実施可能です。病院内あるいは民間の検査センター等で検査が行われています。風疹ウイルスに対する抗体の中には、IgM 抗体と IgG 抗体があります。IgM 抗体は、感染症の急性期に体内で産生される抗体です。通常、風疹にかかると、症状が出始めて 4〜5日ほど経過すると血液検査でIgM抗体が陽性となりますが、先天性風疹症候群の赤ちゃんの場合は、お母さんの胎内にいる時に風疹ウイルスに感染しているため、出生直後の赤ちゃんの血液検査、あるいは臍帯血の検査で IgM 抗体が陽性になります。
IgM 抗体は出生時から陽性で、しばらくの間抗体価は上昇しますが、その後低下し、1 歳頃までには陰性となります。個人差はありますが、生後 6 か月〜1 歳頃まで陽性が続くことがあるとされています。このような所見は先天性風疹症候群に特徴的で、診断する上で重要な根拠となります。
IgG 抗体は、急性期からやや遅れ、回復する時期(回復期)に体内で産生される抗体です。通常、風疹にかかった場合、症状が出始めてすぐと回復期(約 2 週間後)の 2 回血液検査を行い、ペア血清で抗体価を比較して、風疹ウイルス感染の診断を行います。
風疹ウイルスに対する免疫を持ったお母さんから生まれた赤ちゃんは、出生直後にはお母さんから胎盤を通して移行した風疹ウイルスに対する IgG 抗体(これを移行抗体と呼びます)を受け継いでいるのですが、その IgG 抗体の値は出生後徐々に下がってくるものです。しかし、先天性風疹症候群の赤ちゃんの場合、出生直後より IgG 抗体の値は高く、さらに長く続くのが特徴で、生後 6か月の時点でも 95%の赤ちゃんで陽性のままです。
生後 6 か月を過ぎても IgG 抗体の値が高い所見は先天性風疹症候群を疑う根拠となります。IgG 抗体と同様に、赤ちゃんの赤血球凝集抑制抗体価(HI 抗体価)を測定することでも診断できます。お母さんからの移行抗体から予想される値より高く、さらに長く持続している(赤ちゃんの HI抗体価が、1か月あたり1/2の低下率で低下していない)場合も先天性風疹症候群が疑われます。
風疹ウイルスに感染した妊娠週数によって胎児に認められる症状の種類やその頻度に違いがあります。妊婦が風疹ウイルスに対する抗体を持っていたか否かによっても違ってきますので、まずかかりつけの産婦人科に相談しましょう。その次に症状が本当に風疹なのかどうかを確認する必要があります。内科あるいは皮膚科を受診して、風疹かどうかの検査診断を受けましょう。
必要な場合には、羊水などを用いた検査により胎児への先天的な風疹ウイルスの感染の有無を確認することがあります。しかしながら、羊水検査の過程で流産を起こすリスクも一定程度ありますので、検査の実施は慎重に検討されるべきです。また、検査可能な施設は全国で限られています。
(1)妊婦に風疹を疑わせる症状があった場合
産婦人科に相談しましょう。あるいは保健所に連絡して、その後どのようなことが必要かについて助言を得ましょう。風疹ワクチンの未接種の方で、過去 3 週間以内に風疹患者さんとの接触歴がある場合には、感染を受けている可能性があります。まず、その症状が風疹かどうかを確認するための検査が必要です。
風疹は、感染症法上の 5 類感染症全数届出疾患ですので、風疹と診断した医師は最寄りの保健所に届出の義務があります。3つの症状(全身性の小紅斑や紅色丘疹・発熱・リンパ節腫脹)で診断し、保健所への届出をします。妊婦の咽頭ぬぐい液・血液・尿からの風疹ウイルスあるいは風疹ウイルス遺伝子の検出や、風疹ウイルスに対する抗体の検出(免疫の有無)などの検査診断を行うことが強く勧められます。
風疹ウイルスに対する IgM 抗体価を測定する場合、発疹出現後早期は陽性になっていないことがあるで発疹が出て 4 日未満の検査結果が陰性であっても、風疹を否定できません。IgM 抗体価の測定は発疹出現後 4 日以降に行うことでより確実になります。採血した検体は、検査センターに保存をお願いしておきましょう。その後回復期(症状が出てから 2 週間程度あけて)にもう一度採血をして、急性期と回復期のペア血清で、風疹の HI 抗体価あるいは IgG 抗体価が陽転あるいは有意上昇しているかどうかを確認します。
風疹である場合、発疹出現前後 6 日は周りへの感染性を有しますので、他の妊婦への接触は避けましょう。風疹による血小板減少性紫斑病や脳炎は、先天性風疹症候群とは別に風疹の急性合併症として起こりえる、頻度が少ないものの重篤な疾患です。妊婦は特に注意しましょう。重要なこととして、風疹ウイルスに感染した妊婦から生まれた赤ちゃんがすべて先天性風疹症候群を発症するものではありません。先天性風疹症候群は、通常は妊娠 20 週未満で風疹ウイルスに感染したことが明らかな場合に、その発生を考慮する必要がある疾患です。
(2)妊娠中に風疹の典型的な症状がない場合
風疹ウイルスに感染しても、15〜30%程度の方は無症状の場合があることに注意しなければなりません。特に、妊娠期間中に測定された風疹抗体価が陰性または低値で、過去 3 週間以内に風疹患者との接触歴が明らかな場合、また妊娠期間中に測定された風疹抗体価が非常に高値を示しており、最近、風疹ウイルスに曝露した可能性が否定できない場合などは、より慎重な対応が望まれます。また、風疹とよく似た疾患で、風疹との鑑別を要する感染症としては、現在、数は少なくなりましたが麻疹(はしか)や、妊娠中に感染すると胎児水腫を起こすことがあるパルボウイルス B19 感染症である伝染性紅斑(リンゴ病)があります。
自治体には様々な子育て支援制度があります。ただし、自治体によって制度がそれぞれ異なっていますので、まず、赤ちゃんの主治医である小児科医や病院の地域連携室とお住まいの自治体・保健所の担当者との間で、密に連携をとることが大切です。なお、新生児期から赤ちゃんによっては長期(数か月)にわたり風疹ウイルスが検出されることがありますので、小児科の主治医とよく相談のうえ情報提供をお願いします。
(1)小児医療費補助制度 医療保険の適用となる医療費が助成対象となります。助成対象となる年齢(学年)や窓口における自己負担金、所得制限の有無などは、実施主体である市区町村によって異なります。
(2)特別児童扶養手当 精神又は身体に障害を有する児童について手当を支給することにより、これらの児童の福祉の増進を図ることを目的にしています。上記については、住所地の市区町村の窓口へお問い合わせください。
(3)障害児福祉手当 重度の障害を持つ児に対して、その障害のために必要となる精神的、物質的な特別の負担を軽減するための一助として、手当を支給することにより、重度の障害を持つ児の福祉の向上を図ることを目的にしています。上記については、住所地の市区町村の窓口へお問い合わせください。
(4)小児慢性特定疾患治療研究事業 先天性風疹症候群自体は小児慢性特定疾患の医療費助成対象外ですが、先天性心疾患を合併している場合、その重症度によって先天性心疾患が医療費の助成対象となることがあります。詳細は最寄りの保健所にお問い合わせ下さい。
(5)育成医療 体の障害を取り除いたり、軽くするための治療(手術等)によって確実に効果が期待できる児等(18 歳未満)に対して、その医療費の支給を行うもので、先天性風疹症候群に合併する先天性心疾患や白内障等が対象となります。詳細は住所地の市区町村の窓口にお問い合わせください。
(6)補聴器の公費助成 障害者総合支援法に基づき、難聴の程度に応じて公費助成が受けられる制度(補装具費給付制度)があります。詳しくは住所地の市区町村の福祉担当課にお問い合わせください。市区町村によって一部その呼称やサービス内容に違いがあります。またお子さんが抱える障害の種類や程度によっても受けられる支援が違いますので、まずは市区町村の担当窓口にお問い合わせ下さい。
予後については、症状の種類・重症度によって異なります。先天性風疹症候群の赤ちゃんは先天性心疾患、白内障・緑内障・難聴(聴覚障害)といった症状を持つことが多いわけですが、治療・療育についてはかかりつけの小児科医に、症状によっては小児循環器科・眼科・耳鼻咽喉科の専門医によく相談してください。
先天性風疹症候群の赤ちゃんの咽頭ぬぐい液・唾液・尿からは長期間風疹ウイルスが検出され続けますので、その間は周りの人に感染させる可能性があります。入院中の先天性風疹症候群の赤ちゃんから、他の赤ちゃんや入院中の妊婦さん、出産直後のお母さんへ風疹ウイルスを感染させてしまう可能性がありますので、個室に入院することが勧められています。施設構造上の制約等により難しい場合には、飛沫感染や接触感染予防を考慮して、他の赤ちゃん等、風疹に対して十分な免疫を持たない人との距離を十分保ち、接触を避けるようにします。
医療機関や自宅で、風疹に対する免疫を持たない人が抱くなど、密接に接すると感染する可能性があります。一方、先天性風疹症候群は空気感染する疾患ではないため、同じ空間(部屋など)にいるだけで感染することはありません。
先天性風疹症候群の赤ちゃんのきょうだいについては 1 歳を過ぎてすぐに麻疹風疹混合ワクチン(MR ワクチン)の接種を受けておくことが大切です。
ただし、次の(ア)〜(ウ)のいずれかを満たしている家族等については、感染する可能性はほと
んどないでしょう。
(ア) 過去に風疹にかかったことがあり、検査でもかかったことが確認されている
(イ) 血液検査で風疹に対する十分な免疫が確認されている
(ウ) 風疹含有ワクチン[風疹ワクチン/MR ワクチン/麻疹おたふくかぜ風疹混合ワクチン(MMR ワクチン)]を受けた記録が 2 回以上ある
先天性風疹症候群の赤ちゃんから風疹ウイルスが検出されている期間は、同年代の子どもだけではなく、他の保護者や妊婦も、風疹に対する免疫がない方については、密接に触れ合うと感染してしまう可能性があります。風疹含有ワクチンの接種歴がなく、風疹にかかったことのない子どもや成人(特に 30〜40 代の男性は免疫を持たない人が約 2 割程度います)、免疫が不十分な妊娠希望女性、妊娠中の女性は、密接な接触はしない方がよいでしょう。
生後 3 か月以降の検査で1か月以上の間隔をあけて、連続して 2 回風疹ウイルスが検出されていないことが確認できれば、周りの人への感染性はまずないと考えられます。また、保健師や看護師等医療関係者は、先天性風疹症候群の赤ちゃんのケアをする、しないに関わらず、様々な赤ちゃんのケアをする立場にある方ですので、風疹に限らず、水痘、麻疹、おたふくかぜ等ワクチンで予防できるウイルス性疾患の予防に必要な免疫を持っておくことが大切です。
先天性風疹症候群の赤ちゃんの飛まつ(咳やくしゃみ・発語などで飛ぶしぶき)や尿からは、長期間風疹ウイルスが検出されます。生後1か月で風疹ウイルスが検出されなくなる場合もあれば、1年以上にわたり検出され続ける場合もあります。長い場合は、4 歳を過ぎて風疹ウイルスが喉(のど)の粘膜から検出されたという報告があります。このように長期間風疹ウイルスが検出されることは稀なことと考えられます。
先天性風疹症候群の赤ちゃんの 1 歳時の検査で、唾液から風疹ウイルスが検出されていたのは 10%前後であったという報告が複数あることなどから、少なくとも1歳までは感染性があるものとして周囲への感染防護の対策を行っておくことが必要と考えられますが、家族の場合は、妊婦が感染した時期に免疫がない家族も感染していることが多く、風疹の免疫を持っていないことは稀と考えられます。
抗体検査で風疹に対する免疫の有無を調べて、もし抗体陰性あるいは不十分な場合は、風疹含有ワクチン(麻疹風疹混合ワクチンあるいは風疹ワクチン)を接種して風疹に対する免疫をつけておけば安心して普通に生活することが可能です。同様に風疹に対する免疫を持っている人については、何も心配なく普通に赤ちゃんと接することができます。なお、風疹ウイルスあるいは風疹ウイルス遺伝子が咽頭ぬぐい液や唾液や尿から検出されるかどうかの確認については、保健所を通して地方衛生研究所あるいは国立感染症研究所で実施可能です。その場合は、生後3か月以降で複数回検査を行います。
先天性風疹症候群の赤ちゃんは生まれてから数か月間、長い場合 1 年以上風疹ウイルスが咽頭ぬぐい液・唾液・尿から検出される場合があります。先天性風疹症候群はお母さんが妊娠 20 週頃までに風疹ウイルスに感染したことによって赤ちゃんが発症する病気のため、お母さんは既に免疫を持っており、お母さん自身は感染予防に特別な配慮は不要です。ただし、赤ちゃんのおむつを替えた後の手洗いは忘れないようにしましょう。
赤ちゃんの飛まつ(咳やくしゃみ・発語などで飛ぶしぶき)・唾液・尿には風疹ウイルスが含まれていることを知って育児をすることで、周りにいる免疫を持たない人への配慮につながります。一方ご家族については風疹ウイルスに対する免疫を持っていない可能性がありますが、妊娠中のお母さんが感染した時期に感染していることが多く、風疹の免疫を持っていないことは稀と考えられます。抗体検査で風疹に対する免疫の有無を調べて、もし抗体陰性あるいは不十分な場合は、風疹含有ワクチン(麻疹風疹混合ワクチンあるいは風疹ワクチン)を接種して風疹に対する免疫をつけておけば安心です。
1 歳児の場合は、速やかに第1期の定期接種として麻疹風疹混合ワクチン(MR ワクチン)を受けておくことが重要です。もし 2 歳以上で第1期の MR ワクチンを受けていない場合は、第 2 期のMR ワクチン接種年齢(小学校入学前1年間の幼児:6 歳になる年度)を待たずに任意接種として速やかに MR ワクチンを受けることが奨められます。
また、1 回の接種では免疫がついていないことが 5%程度ありますので
@3 か月程度あけて 2回目のワクチンを受けておく方法
A接種後 6 週間程度経った頃に血液検査を受けて、風疹の抗体が陰性であった場合は、2 回目のワクチンを受ける方法
が奨められます。第 2 期の接種年齢の場合は、速やかに MR ワクチンを受けてください。第 2 期の接種年齢を過ぎていて、まだ 2 回のワクチンが済んでいない場合は、任意接種として速やかに合計 2 回の MR ワクチンの接種を受けておくことが奨められます。一方、風疹の罹患歴がある場合でも、検査を行わずに症状のみの臨床診断では風疹ではない場合も少なからずありますので、風疹ウイルスに対する免疫を持っていることを確認することが大切です。風疹ウイルスに対する抗体の有無を血液検査によって確認することで風疹に対する免疫の有無が調べられます。血液検査は数千円の費用がかかりますが、一般の医療機関でも可能です。
MR ワクチン(あるいは風疹ワクチン)の接種を 2 回済ませていることが記録に残っている場合、または風疹にかかったことがあって、血液検査で風疹の抗体陽性が確認されている場合は、何も心配なく普通に赤ちゃんと接することができます。ただし、MR ワクチンあるいは風疹ワクチンを受けることができない(いわゆる禁忌となる)基礎疾患をお持ちの方の場合、先天性風疹症候群の赤ちゃんの飛まつや唾液・尿に接触しないような配慮が必要となります。
先天性風疹症候群の赤ちゃんの尿からは長期間風疹ウイルスが検出されることがあります。風疹ウイルスが検出されている期間は尿からも感染する可能性があり、おむつ交換をする場合は注意が必要ですが、風疹に対する免疫を持っていれば特に心配は要りません。おむつ交換後には手洗いを丁寧に行いましょう。
可能であれば使い捨てのできる紙おむつの使用が望まれますが、交換した後のおむつはビニール袋などにくるみ、その後、各自治体の取り決め(可燃物か不燃物かの区分 多くの場合は可燃物として)に従って廃棄してください。おむつ自体に対する特別な消毒は不要です。生後 3 か月以降に1か月以上の間隔をあけて、風疹ウイルスが検出されないことが連続して 2回確認されれば、感染性はないものと考えられます。
先天性風疹症候群の赤ちゃんの咽頭ぬぐい液、唾液、尿から風疹ウイルスが検出されている間は、洗濯前の赤ちゃんの衣類を扱った後に手洗いを行いましょう。
風疹ウイルスに対する免疫が不十分な方は洗濯前の衣類に直接触れないようにするのが良いでしょう。風疹ウイルスは、一般的な洗浄において感染性を失い洗い流されてしまいますので、洗濯後の衣類に感染性はありません。他の子どものものと一緒に、普通に洗濯をすることで構いません。
先天性風疹症候群の赤ちゃんの場合、風疹にかかった子どもたちと比べて、長期間、咽頭ぬぐい液・唾液・尿から風疹ウイルスが検出されるのが特徴です。先天性風疹症候群の赤ちゃんから、周りの人に感染してしまった例も多く報告されています。
通常、風疹ウイルスに対する免疫を持っているお母さんから生まれた赤ちゃんは、生後 6 か月頃までは風疹ウイルスに対する抗体を持っています。これを移行抗体といいます。しかし、0 歳後半になるとお母さんからの移行抗体はなくなっていきます。また、風疹ウイルスに対する免疫がないお母さんから生まれた赤ちゃんはそもそも移行抗体を持っていません。そのため、保育所にいるそのような赤ちゃんは風疹ウイルスに感染する可能性があります。
生後 3 か月以降の検査で1か月以上の間隔をあけて連続して 2 回の検査で咽頭ぬぐい液・唾液・尿から風疹ウイルスが検出されないことが確認できれば、周りの人への感染性はまずないと考えられますので、保育所への入所は可能と考えられます。
また心臓・目・耳などに障害を持っている場合がありますので、その病気を診てもらっている主治医に、保育所での集団生活について事前に相談しておくことが大切です。咽頭ぬぐい液・唾液・尿から風疹ウイルスが検出されている場合、あるいは検査による確認を待たずに、保育所への入所を希望され、市町村担当課で判断がつかない場合は、厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課にご相談ください。
外出は赤ちゃんにとっては楽しみである一方、体力的には負担になることもあります。赤ちゃんの体の症状に合わせた対応が必要となってきます。外出については、主治医と相談することが大切です。先天性風疹症候群は空気感染する病気ではなく、同じ空間(部屋など)にいるだけで感染することはありませんので、外出だけで周りに感染を広げてしまうことはありません。近くへの散歩などの外出を控える必要はありません。
ただし風疹ウイルスが咽頭ぬぐい液・唾液・尿から見つかっているような場合には、外出の際には周囲の人への感染について、密接に接することを避けるなどの注意を払う必要があります。特に、風疹ウイルスに対する免疫がない可能性がある乳児や、妊婦が多く集まる場所への外出はできるだけ避けた方が良いでしょう。
全ての赤ちゃんに共通のことですが、外出先でのおむつ交換時には交換後の手洗いに加えて、持参したビニールシートをおむつの下に敷くなどして、尿などで周囲を汚さないよう他の方へ配慮することも大切です。使用済みの使い捨てのおむつはビニール袋に入れて廃棄してください。唾液や尿などがついた衣類は、持参したビニール袋に入れて自宅に持ち帰り洗濯をすれば心配ありません。
先天性風疹症候群の赤ちゃんの咽頭ぬぐい液、唾液あるいは尿からは、長期間風疹ウイルスが検出されます。風疹ウイルスが検出されている間は、飛まつ(咳やくしゃみ、発語などで飛ぶしぶき)や唾液、尿から周りの人に感染させてしまう可能性があります。生後 3 か月以降の検査で1か月以上の間隔をあけて連続して 2 回の検査で咽頭ぬぐい液、唾液や尿から風疹ウイルスが検出されないことが確認できれば、周りの人への感染性はまずないと考えられますので、特別な対応は不要です。
もし風疹ウイルスが検出されている時期に保健所や医療機関を受診される場合は、風疹ウイルスに対する免疫を持たないか、免疫が不十分な人で、風疹の予防接種を受けることができない基礎疾患を持っている人、特に妊娠を希望している女性や妊婦には配慮が必要になります。受診前に先天性風疹症候群の赤ちゃんの保護者の方と、主治医あるいは保健所の担当者の間で、受診の時期や場所などについて、あらかじめ相談をしておくと安心です。先天性風疹症候群の赤ちゃんが乳幼児健診、歯科健診、予防接種などを集団でうける場合、担当する関係者(医師、歯科医師、看護師、保健師、助産師、歯科衛生士等)は風疹ウイルスに対する免疫を持っている方が担当します。医療関係者については、先天性風疹症候群の赤ちゃんの担当をする、しないに関わらず、風疹の免疫をあらかじめ持っていることが大切です。
保健師や看護師等医療関係者は、先天性風疹症候群の赤ちゃんのケアをする、しないに関わらず、様々な赤ちゃんのケアをする立場にある方ですので、風疹に限らず、水痘・麻疹・おたふくかぜ等ワクチンで予防できるウイルス性疾患には免疫を持っておくことが大切です。
風疹ウイルスが咽頭ぬぐい液、唾液、尿などから検出されている先天性風疹症候群の赤ちゃんから周りにいる医療関係者に感染したという報告があることから、入院中の先天性風疹症候群の赤ちゃんに対する治療・看護・療育には風疹ウイルスに対する免疫を保有している医療関係者が担当する必要があります。先天性風疹症候群の赤ちゃんの自宅に訪問する保健師、訪問看護師も同様に感染予防策についての知識を持ち、自らは風疹に対する免疫を保有していることが必要です。
風疹ウイルスに対する抗体を持たない方にも連続して接触する可能性を考えて、自宅への訪問時に赤ちゃんをお世話する際には、エプロンなどを着用し、お世話の前後で手洗いを丁寧に行うようにしましょう。赤ちゃんのお世話をする前後の手洗いは、先天性風疹症候群の赤ちゃんに限ったことではなく、すべての赤ちゃんの訪問時に必要です。風疹ウイルスは消毒用エタノールで不活化されます。唾液や尿が付着した衣類などは、一般的な洗浄において感染性を失い洗い流されてしまいますので、洗濯後の衣類に感染性はありません。80℃10 分の熱水処理もウイルスの不活化に有効とされています。
基本的に、定期接種・任意接種を含めて、すべての予防接種を受けることが可能です。ただし、先天性風疹症候群の赤ちゃんは様々な基礎疾患を持っていることがありますので、その病気を診ている主治医に予防接種の可否についてよく相談してください。基礎疾患が安定している場合は、予防接種を受けることができます。また、1 歳になったら麻疹予防の観点から、麻疹含有ワクチン(MR ワクチンも接種可能)を受けることが大切です。
世界でも、麻しん同様に、風しんの排除(elimination)に向けて、予防接種率の向上等の風しん対策が強化されていますが、風しんの流行は世界各地で起こっており、妊婦が風疹に感染して年間推定110万人の先天性風しん症候群の赤ちゃんが生まれていると推定されています。
CRSに対するウイルス特異的な治療法はなく、女性は妊娠する前にワクチンによって風疹に対する免疫を獲得すること、社会全体で風疹ワクチンの接種率を上げることで風疹の流行そのものを抑制し、妊婦が風疹ウイルスに曝露(ばくろ)されないようにすることが重要です。風疹が流行すると人工妊娠中絶が増加することもすでに報告されており、ワクチン接種率を上げることが急務です。
2008年度から5年間の時限措置として、10代の者への免疫強化を目的に、中学1年生と高校3年生相当年齢の者に対する2回目の予防接種が、予防接種法に基づく定期接種に導入されました。
風疹の検査と診断
風疹の診断には次のような方法があります。ウイルスの分離が基本ですが通常は行われず、血清診断が中心です。
臨床症状・血清診断・ウイルス遺伝子検査・血液検査
風疹特有の症状である、全身性の小紅斑や紅色丘疹・発熱・リンパ節腫脹の全てが認められることにより診断できます。しかし臨床診断は不正確なことが多く、溶血性連鎖球菌による発疹、典型的ではない修飾麻疹(軽い症状の麻疹)などとの区別が必要になります。確定診断のためには検査室診断(血清検査・遺伝子検査)が必要とされるケースが多く見られます。
血清診断は健康保険適応になっており、一般的に最も多く用いられています。風疹の診断には風疹ウイルスに対しての抗体価を測定します。その値で急性期・回復期を判断します。風疹に特異的なIgM・IgG抗体を証明することで診断されます。
風疹ウイルスの抗体の検出方法
- 赤血球凝集抑制反応(HI) 以前は主流の検査方法
- 中和法(NT)
- 補体結合法(CF) 感染後比較的早期に陰性化(抗体保有検査には不適)
- 酵素抗体法(ELISA) 最近主流の検査方法
風疹の血清検査による診断基準
急性期と回復期のペア血清で抗体価が陽転あるいは有意上昇
(HI法・CF法 4倍以上 EIA法 2〜4倍以上)
発疹出現から28日以内(急性期)の血液中風疹IgM特異抗体検出 (単一血清で診断可能)
同一患者から採取された1組の急性期血清および回復期血清のことです。感染初期の血清を急性期血清とし、病気が回復した後の血清を回復期血清とし、その抗体価の上昇を指標として血清学的診断を行います。感染症の診断、ワクチンの効果の判定に使用されます。
単一血清検査のディメリット
急性期に風疹特異的IgM抗体が検出されれば、単一血清で診断可能です。しかし偽陽性になるケースも少なくありません。
単一血清検査で偽陽性になるケース
風疹に感染している
- 発疹出現3日以内では陽性になっていない場合(発疹出現後4日以降に再検査)
風疹に感染していない
- 風疹以外の疾患で弱陽性になる場合
- 長期間風疹IgM抗体価の弱陽性が続く場合
風疹の確定診断には風疹ウイルスの分離が基本ですが健康保険適応はなく通常は行われません。病原体である風疹ウイルスの検出には、ウイルス分離よりもウイルス遺伝子の検出の方が感度も良く、時間的に効率的です。
急性期の咽頭ぬぐい液・血液・尿から風疹ウイルス遺伝子を RT-PCR法・リアルタイムRT-PCR法 等の方法で検出する方法が最も早期診断に有用です。実施可能な機関は一部の研究所や大学等に限られています。
ウイルスの遺伝子(RNA)を検出し、それを逆転写酵素(Reverse Transcriptase)によりc-DNAを作製します。c-DNA を Polymerase Chain Reactionにより大量に増幅し、それを検出することにより確定診断します。
風疹にかかった場合 白血球減少・血小板減少 の所見となります。
豆ちしき
風疹では白血球数は減少しますが、好酸球は減少・消失しません。麻疹では好酸球が減少・消失します。鑑別診断の根拠となります。
鑑別を要する疾患
- 麻疹
- デング熱
- 突発性発疹
- コクサッキー・エコー・アデノウイルス感染
- 伝染性紅斑
- 溶連菌感染(猩紅熱)
風疹の治療
特異的な治療法はなく、対症的に治療します。発熱、関節炎などに対しては解熱鎮痛薬を用います。通常は、安静にしていれば問題ありません、症状が重い場合には、症状を緩和する対症療法が行われます。二次感染予防のために、抗菌薬が使われることもあります。
風疹の予防
|風疹の予防手段
風疹の有効な予防方法は、風しんワクチン接種です。日本では予防接種法に基づいて幼小児期に定期予防接種が行われています。世界的にはMMRワクチンに含まれた形で2回接種を行うのが主流となっています。また先天性風疹症候群の発生を防ぐために、妊婦とそのパートナーの予防は特に重要です。
思い込みは危険です!
風疹は一度かかると生涯かかることはありません。しかし <子どもの頃に風疹にかかった> <予防接種を受けた> と家族に言われても、感染した記録、予防接種の記録がなければ医療機関に相談してください。
すでに風疹にかかったと記憶だけのある方々に血液検査を行ったところ、約半数は記憶違い、または、風疹に似た他の病気(溶連菌感染・伝染性紅斑)だった可能性もあります。
もし風疹にかかったことが血液検査によって確かめられていない場合は、予防接種を受けることをお勧め致します。本当に子どもの頃に風疹にかかったことがあったとしても、成人になって予防接種を受けることに問題はありません。これまで風疹の予防接種を受けたことがない人は、男女関係なく風疹ワクチンを接種しましょう。通常風疹の症状自体は重症化しませんが、稀に合併症を引き起こし重症化するケースがあります。特に妊婦さんへの感染は先天性風疹症候群発症の可能性もありますので、ご家族もできるだけ早く予防接種を受けてください。
成人女性・妊婦の風疹予防接種
妊娠可能年齢の女性で風疹抗体がない場合や抗体価が低い場合、ワクチン接種は先天性風疹症候群発症を予防する観点からも強く推奨されていますが次のような注意が必要です。
- 妊娠中のワクチン接種は避ける(妊娠中は接種不可)
- ワクチン接種後は2ヶ月間の避妊が必要
- 妊娠していない時期(生理中あるいはその直後が確実)にワクチン接種
妊娠中は予防接種することができません。妊娠出産年齢の女性にワクチン接種する場合は、妊娠していない時期(生理中あるいはその直後が確実)にワクチン接種を行い、その後2ヶ月間の避妊が必要です。妊娠中に風疹ワクチンを接種したために胎児に障害が出たという報告はほとんどありませんが100%安全の確証なないので注意が必要です。
|風疹ワクチンとは?
弱毒性を行った種(たね)ウイルスを培養・増殖させて凍結乾燥したものを接種します。通常の風疹感染のようにほとんど症状が出ませんが、風疹ウイルスに対する免疫を得ることができます。風疹ワクチンには単一ワクチンと混合ワクチンがあります。
単一ワクチン 風疹ワクチン
混合ワクチン 麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン) 麻疹(Measles)+風疹(Rubella)
おたふく・麻疹・風疹混合ワクチン(MMRワクチン)
おたふく(Mumpus)+麻疹(Measles)+風疹(Rubella)
弱毒生ワクチンが実用化され、広く使われている。MMR(麻疹・おたふくかぜ・風疹)混合ワクチンとして使用している国も増加している。我が国では平成6年以前は中学生の女子のみが風疹ワクチン接種の対象であったが、平成6年の予防接種法改正以来、その対象は生後12カ月以上〜90カ月未満の男女(標準は生後12カ月以上〜36カ月以下)とされた。また経過措置として、平成15年9月までの間は、12歳以上〜16歳未満の男女についてもワクチン接種の対象とされた。現時点での予防接種率をみると、風疹の予防接種を受ける幼児の数は増加したが、逆に中学生での接種率は減少し、対策の強化が課題となっている。平成8年度の伝染病流行予測事業による調査では、我が国における風疹抗体保有状況をみると、小学校高学年から中学生年齢の女子の
抗体陽性率は低く、12歳女子における風疹抗体陽性率は52%にすぎない。風疹の流行の規模は縮小しつつあるが、発生が消えたわけではない。風疹に対する免疫を有しない女性が妊娠した場合に風疹の初感染を受ければ、先天性風疹症候群発生の危険性が高いことは明らかであり、現時点では幼児期のみならず中学生に対しても風疹ワクチン接種を積極的にすすめる必要がある。
|風疹ワクチンの歴史
日本での風疹ワクチン接種は、当初は女性のみに限定され、男性は対象外でした。その後両性の接種を可能にした際に、予防接種の対象年齢を、中学生から満1歳以上7歳半未満に変更しました。この接種年齢層の変更の際に中学生に対する経過措置が設定され、それまでの集団接種から個別接種となりました。経時的推移は次のようになります。
1977年 女子中学生を対象に風疹単価ワクチンの集団接種が開始
1994年
満1歳〜7歳半(生後12か月から90か月未満の年齢の男女)および中学生男女の年齢層に対し個別接種で風疹単価ワクチンの接種開始
1995年〜2003年(経過措置) 中学生男女に対し風疹の個別接種を実施
2001年〜2003年9月(経過措置)
1979年4月〜1987年生まれの男女に対し風疹の個別接種を実施
2006年
MRワクチンとして満1歳(第1期)・就学前年(第2期)への麻疹風疹混合ワクチン接種を開始(1990年生まれ以降はMRワクチンを使用した2回接種法を開始)
2008年〜2013年3月(経過措置)
中学1年生(第3期)・高校3年生(第4期)に相当する年齢層に定期接種として2回目の麻疹風疹混合ワクチンの個別接種を公費で実施
|風疹にかかりやすい年代
風疹接種率が低く風疹ウイルスへの抗体が少ない世代の方がいらっしゃいます。次に該当する方は抗体が不十分で風疹に感染しやすい可能性があります。また風疹流行の原因世代にもなっています。
男性は特に要注意!中学時のワクチン集団接種は施行されていましたが対象は女子のみでした。
ワクチン制度の切り替え時期に相当します。中学生時の風疹ワクチン接種制度が変更され集団接種から医療機関(病院・医院)での個別接種に切り替わった時期で男女ともに接種率が激減しました。
集団接種により幼児期に接種する機会はあったが未接種者多いとされています。また1回の接種だけでは抗体が不十分で2013年の20-40代の流行の原因世代となりました。
MMRの副作用が影響しました。MMR(麻疹・おたふくかぜ・風疹)混合ワクチンの接種時期です。おたふくかぜワクチン株による無菌性髄膜炎の多発など、副作用による健康被害の多発により接種率低下しました。
豆ちしき
MMRワクチン接種による重度健康被害の多発により予防接種の安全性が一時期疑問視されました。ワクチン接種率が低下し、この時代の方々が風疹に感染する可能性が高いのです。
麻疹の定期予防接種のワクチンとしての麻疹・風疹・おたふくかぜ混合ワクチン(MMR)接種
1988年〜1993年の間は麻疹の定期予防接種のワクチンとして麻疹・風疹・おたふくかぜ混合ワクチン(MMR)の選択も可能であった。男子に対する予防接種が可能になったのはこの時からである。
麻疹の定期予防接種にMMRワクチンを使用した場合、この接種はあくまでも麻疹予防接種として行われた為、中学生になった際にMMRとは別に風疹の接種が可能であった。この対象は1981年生まれから1989年生まれである。
1990年〜1994年生まれは第4期の接種対象の年齢層であり、1995年生まれは上記の第3期の接種対象の年齢層である。
2006年4月以降、新規にワクチンを接種する1歳以上2歳未満の幼児からは麻疹・風疹混合ワクチンを接種することとなった。授乳中の母親がワクチン接種を受けた場合、乳を飲んでいる赤ちゃんに、ワクチン・ウイルスが感染し赤い発疹が出る事があるが、重い合併症は起こさない
現在は、ワクチンの効果を高めるため、1歳と小学校入学前の2回、ワクチンを接種することになっています。また2回目の接種を受けていなかった世代を対象に、平成25年3月末までの5年間は中学1年生と高校3年生相当年令の人が無料で接種できるようになっていましたが、特に高校生の接種率が低く、今後も抗体が不十分な人が減らずに、風疹の流行が繰り返されると懸念されています。
予防として弱毒生ワクチンが実用化され、広く使われていますが、先進国ではMMR(麻疹・おたふくかぜ・風疹混合)ワクチンとして使用している国がほとんどです。日本では、2006年からMR(麻疹・風疹混合)ワクチンが広く使用されるようになり、2006年6月からは、1歳児と小学校入学前1年間の幼児を対象とした2回接種制度が始まっています。
|風疹の感染症法による取り扱い
風疹および先天性風疹症候群は2008年1月1日からいずれも全数報告対象(5類感染症定点把握疾患)であり、診断した医師は可能な限り24時間以内、最長7日以内に最寄りの保健所に届け出る義務があります。全国約3,000カ所の小児科定点医療機関より毎週報告がなされています。報告のための基準は次のとおりです。
診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の3つの基準のすべてを満たす疾患
- 突然の全身性の斑状丘しん状の発しん(maculopapular rash)の出現
- 37.5℃以上の体温
- リンパ節腫脹
上記の基準は必ずしも満たさないが、診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、病原体診断や血清学的診断によって当該疾患と診断された疾患
届出基準の詳細は下記URL参照してください
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-14-02.html(風しん)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-10.html(先天性風しん症候群)
|風疹の学校保健法による取り扱い
風疹は第2種の伝染病(学校感染症)に定められています。次のような場合出席停止となります。ただし病状により学校医その他の医師において感染の恐れがないと認めたときは、この限りではありません。
紅斑性の発疹が消失するまで出席停止となります。また稀に色素沈着を残すことがありますが、その段階で出席停止とする必要はありません。
予防処置の施行その他の事情により学校医その他の医師において感染の可能性がないと認めるまで
風疹の発生状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間
風疹の流行状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間
|成人の風疹
子どもがかかるイメージがある「風疹」ですが、実は患者の9割は成人だって、ご存知ですか?
子どもの頃にかかる風疹は軽い症状で、3〜4日で治りますが、大人になると重症化するケースもあります。また妊婦に感染すると、生まれてくる赤ちゃんが何ら障害を持って生まれてくる可能性があります。予防のために、少しでも早く予防接種を受けましょう。
大人の風疹は、とくに男性の割合が多い
子どもの頃に予防接種を受けなかった成人に多く、とくに男性の割合が多い
患者は成人が9割で、とくに男性は20〜40代に多く、男女差は3.7倍程度です※。
※風疹患者の性別年齢分布(2010年〜2013年)
2014年度の感染症流行予測調査※によると、30代前半〜50代前半の成人男性の5人に1人は風疹の免疫を持っていませんでした。20代の男性は10人に1人、30代後半の男性では5人に1人です。
この男女比および世代比の差は、風疹の定期予防摂取制度の変遷によるもので、成人になって風疹にかかる人の多くは、子どもの頃に予防接種の機会がなかったためです。予防接種は、以前は女子中学生のみを対象としてきましたが、1995年より生後12ヶ月から90ヶ月未満の男女小児、および、中学生男女となりました。
一度風疹にかかった人は、多くの場合、生涯風疹にかかることはないといわれています。また風疹は子どもがかかる病気だと思って油断してはいけません。昔1回かかったから、接種を受けたから大丈夫という思い込みにはご注意ください。風疹に関するご質問やご意見で多く寄せられるのが、<自分は子供のころに風疹にかかった> または <ワクチンの接種を受けた記憶がある> という根拠からです。
小児期に風疹にかかった記憶があるという方の中には、実際には<麻疹>や<リンゴ病(伝染性紅斑)> など別の病気だったのを本人や親が勘違いしているケースも少なくありません。風疹にかかったことがあると答えた人の血液検査をしたところ、約半数が実際には風疹ではなかった、という調査結果があります。以前は医師が症状だけで風疹と診断していたことが多く、診断が間違っていたこともあり得るのです。
2013年 風疹の流行の原因
2013年の風疹の患者は14,000人を超えました。これは全患者を報告することになった2008年以来最大で、流行が始まった前の年の6倍となっています。前述のように、今回の流行の特徴は、20−40代 ・ 約80%くが男性 であることです。この年代の男性に風疹患者が多いのは風疹ウイルスに対しての抗体が不十分なためです。その理由は次の通りです。
- 一回の予防接種では十分な抗体が作られない(接種者の約5%弱は抗体量は不十分)
- 過去に一度予防接種を受けたことがあっても時間の経過にともなって抗体が減少
- 小児期に予防接種の対象から外れていた
- 予防接種の対象であっても接種しなかった
成人の風疹にかかると一般的に重症化します。次のような症状が出現します。1週間ほど仕事ができなくなることが多いため、仕事や生活にも支障が出てしまいます。また重症化して入院するケースもあります。
- 一般的な風疹の症状(カタル症状・発疹・リンパ節腫脹)
- 脳 炎
- 40度近い高熱が数日間持続
- 血小板減少
豆ちしき
1990年4月1日以前に生まれた人は、小児期に1回しか接種の機会がありませんでした。予防強化のため現在は2回接種を受けてワクチンの効果を高めています(Buster効果)。先天性風疹症候群を避けるために、妊娠希望の女性は特に2回目の接種が推奨されます。
|諸外国の風疹の予防
諸外国では一般的に弱毒生ワクチンが実用化され広く使われています。先進国ではMMR(麻疹・おたふくかぜ・風疹)混合ワクチンとして使用している国がほとんどです。一方医療後進国では、いまだ風疹ワクチンが小児の定期接種に導入されていない国も多く、これらの国々では大規模な風疹の流行と先天性風疹症候群の多発が認められ社会問題となっています。
日本では1989年4月〜1993年4月までの4年間、麻疹の定期接種(生後12カ月〜72カ月未満)の際に、MMR(麻疹・おたふくかぜ・風疹)混合ワクチンを選択可能という形で導入されました。しかしおたふくかぜワクチン株による無菌性髄膜炎の多発により中止となり、それ以降使用されていません。
豆ちしき アメリカの風疹予防事情
予防接種の徹底したアメリカ合衆国等では、日本人の入国に際して風疹の予防接種を行う指導がなされています。アメリカの医学書では、日本や日本人は風疹の感染源として説明されているくらい警戒されています。またアメリカでは風疹など指定の予防接種を受けていないと就業・就学できません。もちろん永住権も取得できません。
|風疹ワクチンの費用
風疹ワクチン接種の公費対象年齢になっている方は無料で接種できます。その他の場合自己負担になります。接種を行っている医療機関にお問い合わせください。料金の設定は、医療機関によって異なります。
病気に気づいたらどうする
かかりつけの小児科、成人の場合は内科あるいは皮膚科を受診します。学校保健安全法では第二種感染症に定められていて、紅斑性の発疹が消えるまで登校・登園停止となっています。まわりにいる妊娠している女性をCRSから守るために、可能な限り接触しないよう努力が必要です。
風疹の疫学
|風日本の風疹の流行
日本においての風疹の流行は次のような特徴と経過があります。
- 学童から若年層を中心に流行(最近は成人も)
- 2〜3年の周期で流行
- 10年ごとに大流行
- 春から初夏にかけて最も多く発生
- 1976/1982/1987/1992年に大きい流行
- 2004年40,000人の感染者・10人の先天性風疹症候群
- 2012 - 2013年に未接種者を中心に大流行(幼児の定期接種制度導入後)
風疹も予防対策により次第に発生数は減少し流行の規模も縮小しつつあります。冬にも発生し次第に季節性が薄れてきています。
|2012年以降の流行の特徴
定期予防接種導入後、国内で風疹はほとんど認められませんでした。しかし2012〜2013年に20〜40代の男性を中心に全国で大規模発生が見られました。調査が始まって以来最大の流行となりました。
東京都内 患者報告数3,445人/年 先天性風疹症候群 (CRS)16人
2012年(平成24年) 231件の風疹ウイルスの分離・検出が報告されました。
遺伝子型が解析された151件の内訳(2B型(124件)・1E型(26件)・1a型(1件))
性別での流行の差異
男 性 30歳代がピーク 20-50歳の年齢層に流行が拡大
女 性 感染者総数が男性の1/4 23歳〜24歳がピーク 18-30歳に流行
定期接種導入前の年代で予防接種を受けていない人や、過去に風しんに感染して罹患してない人など、風疹に対する免疫を獲得していない方々での流行には引き続き注意が必要です。また過去に風疹にかかっていても時間が経過し抗体価が低い場合や、がん治療などで免疫力が落ちた場合など、極めて稀に再発することがあります。
田島クリニック
TEL 045(264)8332
www.tajimaclinic.yokohama
1F Etoile Yamashita, 118-1 Yamashita -Cho, Naka-ku, Yokohama, 231-0023
English Available ! !
関連ページ
- 高血圧
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 脂質異常症
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 糖尿病
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 高尿酸血症・痛風
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 肝機能障害
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 腎機能障害
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 不整脈
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 逆流性食道炎
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 胃炎とヘリコバクターピロリ
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 機能性ディスペプシア
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- がん・悪性腫瘍
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 気管支喘息
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- アレルギー
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 花粉症
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 甲状腺疾患・ホルモンの病気
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 貧血
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 小児感染症
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 小児呼吸器疾患
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 小児消化器疾患
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 小児皮膚疾患
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 小児整形外科
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- アトピー性皮膚炎
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- じんま疹
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 痒疹
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 足白癬(水虫)
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 爪白癬
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 尋常性疣贅(いぼ)
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- うおのめ(鶏眼)・たこ(胼胝)
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 骨粗しょう症
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 変形性頚椎症
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 変形性腰椎症
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 変形性膝関節症
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 変形性股関節症
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 関節リウマチ
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 肩関節周囲炎(五十肩)
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 頭痛
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 不眠症・睡眠障害
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- うつ病・不安神経症
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 手足のしびれ・つり
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 予防接種・ワクチン
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 検査結果の読み方
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 高血圧
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 脂質代謝異常症
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 糖尿病
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 高尿酸血症・痛風
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 肝機能障害
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 腎機能障害
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 脳卒中(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血)
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 不整脈
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 逆流性食道炎
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 胃炎とヘリコバクターピロリ
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 機能性ディスペプシア
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- がん・悪性腫瘍
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 肺がん
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 胃がん
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 大腸がん
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 乳がん
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 前立腺がん
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 気管支喘息
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- アレルギー
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 花粉症
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 甲状腺疾患・ホルモンの病気
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 貧血
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 小児感染症
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 突発性発疹
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 麻疹(はしか)
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 水痘(みずぼうそう)
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 溶連菌感染症
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- ヘルパンギーナ
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 手足口病
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 伝染性単核球症
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 伝染性紅斑
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- RSウイルス感染症
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- インフルエンザ
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 小児呼吸器疾患
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 小児消化器疾患
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 小児皮膚疾患
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- みずいぼ
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 小児整形外科疾患
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- アトピー性皮膚炎
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- じんま疹 Uriticaria
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 痒疹
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 足白癬(水虫)
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 爪白癬
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
- 尋常性疣贅
- 3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック